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あるいて いく
(えど こばなし)
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むかしむかし、たいへん けちんぼう な おやじ が おりました。
この おやじ が びょうき に なり、いよいよ、いのち が あぶない と いう とき、こどもたち を まくらもと に よびよせ、
「おまえたち に いって おく が、わし は おてら の きふ も たくさん した のに、いまだ に ごくらくから は、なん の おとさた も ない。
わし が しんだ から と いって、これ いじょう、むだ な かね を つかって は ならぬ。
かならず、かね の かからない そうしき を するんだぞ。
よいな」
と、みんな に ねん を おしました。
こどもたち は、
「それでは、ゆいごんどおり に いたします が、かんおけ は、こし(→かんおけ を はこぶ、せんよう の みこし)に だしましょうか?」
と、いう と、おやじ は、
「いや、それ は かね が かかり すぎる」
「では、ぎっしゃ で、はこびましょうか?」
「それも、かね が かかる」
「それでは、ふたりぐらい に、かつがせましょうか?」
「いや、それ では、ふたり も やとわねば ならぬ。かね が かかる から だめ」
「では、いったい、どうしましょう?」
すると、おやじ は、
「えい、めんどう な。
しんだら、おれ が あるいて いこう」
おしまい
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