ふくむすめどうわしゅう > がいこくご (にほんご) > せかいのむかしばなし
ハメルンのふえふき
(ドイツのむかしばなし)
にほんご ←→ にほんご & えいご ←→ えいご
むかしむかし、ハメルン と いう まち に、どこ からか かぞえきれない ほど の ネズミ が やってきて、まち の あちこち に すみついて しまいました。
こまった まち の ひとたち は ネズミとり を しかけたり、どく の おだんご を ばらまいたり しました が、ネズミ は ますます ふえる ばかり です。
「こうなったら、ネコ や イヌ を たより に するしか しかたがない」
そう かんがえ て、どこ の いえ でも ネコ や イヌ を かう よう に なりました。
でも ネコ も イヌ も ネズミ が おおすぎて、ネズミ を つかまえる どころか ネズミたち に おいかけられる しまつ です。
そんな ある ひ、ひとり の おとこ が まち へ やってきて、こんな こと を いいました。
「ネズミ は、この わたし が たいじ して さしあげましょう。ただし その だいきん と して、きんか せんまい を ちょうだい します」
「おお、ねがってもない。せんまい どころか、にせんまい でも おはらい します」
「けっこう。では さっそく、とりかかる と します かな」
おとこ は そと へ でる と、て に していた ふえ を ふきならし はじめ ました。
すると あちこち の いえ から ネズミたち が とびだして、ふえふき の まわり へ あつまって きた では ありませんか。
ネズミたち を したがえた ふえふき は、ふえ を ふきならし ながら かわ の そば まで やって きました。
「どうする つもり だろう?」
まち の ひとたち が みて いる と、ふえふき は かわ の なか へ サブサブ と はいって いきました。
ネズミたち も あと を おって かわ へ とびこむ と、そのまま いっぴき のこらず おぼれしんで しまいました。
「やった! やった!」
「さあ、おいわい だ!」
まち の ひとたち は おおよろこび で、うたったり おどったり しました。
そこへ、ふえふき が もどって きて いいました。
「ごらん の よう に、ネズミ は のこらず たいじ して さしあげました。それでは、きんか せんまい を いただく と しましょうか」
「きんか せんまい だって?」
まち の ひとたち は、しぶいかお を しました。
「たかが ネズミ くらい の こと で、きんか せんまい とは たかすぎる では ないか。まあ、じゅうまい くらい は だして やるが」
「さては、やくそく を やぶる つもり ですか? よろしい。それなら こちら にも かんがえ が ある」
ふえふき は かおいろ を かえる と、すがた を けして しまいました。
「・・・やれやれ。あきらめたか」
まち の ひとたち は あんしん して、また うたったり おどったり です。
そのとき、どこか で リュウリュウ と ふえ の ね が ひびき はじめました。
ふえふき が まち の ひろば の まんなか で、ふえ を ふき はじめたのです。
それと いっしょ に、あちらこちら の いえ から こどもたち が あつまって きました。
「ややっ、こどもたち が ふえふき の あと を」
おおあわて で おいかけて いく と、やま の ふもと に ある ほらあな の そば へ やってきました。
ふえふき は ふえ を ふきならし ながら、ほらあな の おく へ はいって いきます。
「わーい、ほらあな だ、ほらあな だ」
こどもたち も おおよろこび で、ほらあな の なか へ はいって いきました。
「おーい、まって くれ、まって くれ」
「わしら が わるかった。やくそくどおり きんか を はらう から、こどもたち を かえして くれ」
まち の ひとたち は、こえ を かぎり に よびかけ ました。
でも もう おそく、いわ が ひとりでに うごきはじめた かと おもう と、ほらあな の いりぐち を ピッタリ と ふさいで しまいました。
こうして ハメルン は、こども の ひとり も いない まち と なって しまったのです。
おしまい
|