ふくむすめどうわしゅう > がいこくご (にほんご) > せかいのむかしばなし 
        
        イラスト myi   ブログ sorairoiro 
      イノシシ の おやこ 
      
        
          | ♪Reading in Japanese  | 
         
        
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       わがはい は、ミュンヒハウゼンだんしゃく。
       
 
 みんな から は、『ほらふきだんしゃく』と よばれておる。
 
 
 きょう は、すこし よい はなし を きかせて やろう。 
 
 
 
 ある ふかい もり の なか で、わがはい は イノシシ の おやこ を みつけた。 
        
              「これは、よい えもの だ」  
         
         イノシシ の にく は たべる と からだ が あたたまる ので、さむい ふゆ には もってこいだ。  
         
         わがはい は すぐ に てっぽう を かまえる と、ねらい を つけて ひきがね を ひいた。  
        
               ズトーン!  
         
         しかし めいじん でも、ときには しっぱい を する。  
        
               てつぽう の たま は どこかへと とんでいき、その おと に びっくりした イノシシ の こ が いちもくさん に にげていった。  
         
         だが、なぜか ははおや の ほう は そこ に たちどまった まま、いっぽ も うごこう と しない。  
         
        「はて、なぜ にげない の だろう? ・・・おや?」  
        
               よく みる と、この ははおや は め が みえず、  
         
         くち に イノシシ の こ の しっぽ の きれはし を くわえていたのだ。  
         
         イノシシ の こ は じぶん の しっぽ を め の みえない ははおや に くわえさせて みちあんない を していたのだが、  
         
         どうやら わがはい の はずれだま が、その イノシシ の こ の しっぽ の なかほど を きって しまった らしい。  
         
         だから ははおや は、うごく こと が できないのだ。  
         
        「ああ、なんと うつくしい、おやこ の あいじょう だ」  
         
         わがはい の め から、おもわず なみだ が ポロリ と こぼれた。  
         
        「まったく、たま が あたらなくて よかった わい」  
         
         もしも おやこ の どちらか に たま が あたっていたら、のこった ほう から ざんこくな にんげん と うらまれた に ちがいない。  
         
        「おふくろさん。おどかして、すまなかった。  
         
         もう にど と ねらわない から、げんき で くらせよ」  
         
         わがはい は、まだ たべていない おひる の おべんとう を ははおや の まえ に おく と、そのば を あと に した。  
        
               そして、やがて もどってきた イノシシ の こ と ははおや は、わがはい の おべんとう を おいしそう に たべる と、  
         
         ははおや は みじかく なった イノシシ の こ の しっぽ を ふたたび くわえて、もり の なか へと はいって いった。  
        
              『おやこ の あい は このよ で もっとも うつくしい もの で、なんびと も それ を ひきはなしては いけない』  
         
         これ が、きょう の きょうくん だ。  
         
         では、また つぎ の きかい に、べつ の はなし を して やろうな。  
              おしまい       
        
         
        
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