１２月６日の小話
くすりのききめ
むかしから、高価でゆうめいなくすりに、朝鮮(ちょうせん)にんじんというものがあります。
なかには、小ゆびのさきほどの大きさで、家族が一ヵ月間、生活できるくらい、高価な物もあるそうですが、どんなびょうきにも、きくというので、大人気です。
長屋(ながや→むかしの集合住宅 →詳細)ずまいの男が、一日のしごとをおえて、かえってきて、長屋のみんなにいいました。
「うわさにはきいていたが、朝鮮にんじんのききめには、おどろいたぜ」
「へえー、そんなにすごいのかい？」
「うん、しごとさきの家に、びょうきで、ねたきりの年寄りがいて、そこに、いしゃがきたんだ。いしゃが、びょうにんをみて、『このびょうきは、朝鮮にんじんを、まい日、一本ずつのまねば、なおらん』と、いったとたん、『とんでもない。そんなに金がかかるなら、ねてなんかおられるか』と、ねたきりのびょうにんが、たちどころに、とびおきちまった」
おしまい
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