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2011年 11月25日の新作昔話

ポンポコリン

ポンポコリン
大分県臼杵市の民話

 むかしむかし、臼杵の浜(うすきのはま)というところに、大島与衛門(おおしまよえもん)という、鼓(つづみ)がとても上手な男がいました。
 与衛門は毎晩一人で座敷に座っては、鼓のけいこをしていました。

 そんなある日、今日も余衛門が夜遅くまで鼓を打っていると、庭の方から、
♪大島与衛門、ポンポコリン
と、奇妙な鼓の音が聞こえて来ました。
(誰だろうか?)
 与衛門は不思議に思いながらも、それに返すように打ち返しました。
♪そういう者こそ、ポンポコリン
 するとまた、
♪大島与衛門、ポンポコリン
と、元気な鼓が返って来るではありませんか。
 与衛門も負けじと、
♪そういう者こそ、ポンポコリン
 すると、庭からも、
♪大島与衛門、ポンポコリン
 与衛門も、
♪そういう者こそ、ポンポコリン
と、庭と座敷で、ポンポコと鼓の打ち合いが続きました。

 さて、こんな事が何日も続いたある晩、急に庭からの鼓の音が止まってしまったのです。
(どうしたのだろう?)
 与衛門が、
♪そういう者こそ、ポンポコリン
と、何度も打ちますが、返事はありません。

 次の朝、与衛門は庭を調べてみてびっくり。
 なんと大きなタヌキがお腹の皮を打ちすぎて、あお向けにひっくり返って死んでいたのでした。

おしまい

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