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2013年 9月16日の新作昔話

あわて者の庄兵(しょうべえ)

あわて者の庄兵(しょうべえ)
兵庫県の民話

 むかしむかし、中山村(なかやまむら)という所に、庄兵(しょうべえ)という、あわて者の男がいました。
 何をしても失敗ばかりするので、みんなからは『あわて者の庄兵』と呼ばれています。

 ある日の事、庄兵は用事で宮津(みやづ)まで出かけました。
 帰りに活きのいい魚を買ってわらづと(→わらを束ねた入れ物)でつつみ、杖の先にぶら下げていましたが、岩屋峠(いわやとうげ)までやってきたとき、お昼に食べたお弁当が悪かったのか腹が痛くなりました。
「ああ、腹が痛え。おならでも出さないと」
 人通りの少ない山道だったので、庄兵は「プー、プー」と、おならをしながら山道を歩いて行きました。
 でも、何度も勢いよくおならをしているうちに、むにゅっとふんどしの中に変な感触がしました。
「しまった! ・・・もらした」
 庄兵はふんどしをはずすと、そばにあったわらでくるみ、魚をつるしてある杖のもう片方にぶら下げて肩にかついで歩き出しました。

 さて、家に帰った庄兵は、魚の入ったわらづとを台所に置いて座敷に上がりました。
 庄兵が魚を買ってきたので、おかみさんは大喜びです。
 おかみさんはさっそく魚を料理しようと台所に立ったのですが、しばらくして台所からおかみさんのかん高い声が聞こえてきました。
「お前さん、この魚、白いよ」
「そりゃあ、魚の腹は白いわ」
「だけどお前さん、これはどう見てもふんどしだし、おまけに臭いよ」
「えっ!」
 庄兵は間違えて、うんちの付いたふんどしのわらづとを台所に置いたのでした。

おしまい

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