10月12日の世界の昔話
太陽を拾ったジャッカル
ケニアの昔話 → ケニアの情報
むかしむかし、あるジャッカルが林のかげから、こっそりと人間たちの様子を見ていました。
人間たちはたくさんの荷物をかついで、遠い丘の上へと運んでいきます。
どうやら、丘の向こうへ引っ越しをするようです。
ジャッカルは、その人間たちの後をつけていきました。
「こういう時は、ついて行くにかぎる。
もしかすると、何か良い物を落としていくかもしれないからな」
しばらく行くと道ばたに、まっ赤に光り輝く丸い物が転がっていました。
「なんだろう?
ああっ、これはもしかすると、太陽じゃないか?
やっぱり、人間が荷物を落として行ったぞ。
食べ物じゃないが、もらっておこう」
ジャッカルは太陽を背中の毛皮の下にしまって、林の奥に駆け込みました。
するとしばらくして、背中が太陽の熱で燃える様に熱くなったのです。
「あっちちちち! 煙まで出てきた! 助けてくれえ!」
ジャッカルは太陽を放り出そうとしましたが、背中の長い毛皮がからまって、なかなか取れません。
何とか取り出した時には、背中の毛がだいぶ焼けこげていました。
「ちくしょうめ! こうなったのも、人間たちのせいだ!」
その時からです。
ジャッカルの美しい毛並みの背中に、黒いしまもようがついてしまったのは。
おしまい
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