福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
アシとオリーブの木
アシとオリーブの木が、口論していました。
どちらがしんぼう強くて、力があって、しっかりしているかで、いいあらそっているのです。
オリーブの木は、アシに向かってこう言いました。
「おまえなんか、へなへなで、てんでいくじなしさ。ちょっと風が吹けばすぐにおじぎして、まいったというじゃないか」
「・・・」
アシはだまったきり、なにも言い返しません。
そこへ、まもなく強い風が吹いてきました。
ビュー、ビューと吹きまくる風の中、アシはさんざんにゆさぶられ、おじぎをさせられましたが、ぶじに切りぬけました。
ところがオリーブの木は、風にはむかってがんばっているうちに、ポキリと折れてしまいました。
自分より強いものに負けまいとしてがんばる人よりも、事のなりゆきにさからわずにうまく立ち回る人の方が得をするということを、このお話しはおしえています。
おしまい
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