福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
矢に当たったワシ
一羽のワシが岩の上に止まって、ウサギを狙っていました。
そのワシ目掛けて、人間がヒュッと矢を放ちました。
矢はワシに命中して、鉄の矢尻がぐさりとワシの体に刺さりました。
矢の羽根は、ちょうどワシの目の前にピンと突き立っていました。
それは、ワシの羽根で出来た矢の羽根でした。
ワシは、言いました。
「死ぬだけでも悲しいのに、何と自分の羽根のせいで死ぬ事になるとは、これほどなさけない話しはない」
かつて自分の物であった物に倒されるのは、他の物に倒されるよりもつらいものです。
おしまい
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