福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
キツネと王さまにえらばれたサル
サルが動物たちのあつまりでおどりをおどって大かっさいをうけ、王さまにえらばれました。
キツネはそれを、ねたみました。
そして、王さまにえらばれてから、いばりほうだいのサルをこらしめてやろうと思い、ワナに肉がしかけてある場所を見つけておいてから、サルのところへいって、
「わたくしは宝物を見つけました。しかし、これはわたくしのものにしてはいけない、王さまのお役にたてなくてはと思い、そのまま大切にしまっておきました。どうか、王さまご自身でとりにおいで下さいませ」
と、うやうやしくいって、サルをワナのところへ連れて行きました。
サルはうかうかとワナに近づいて、たちまちワナにはまってしまいました。
「キツネめ! よくもわしをだましたな!」
「おいおい、バカなおサルさん。おまえはそんなにマヌケなくせに、それで動物の王さまになれると思っているのかい?」
これは、実力のない人が何かの幸運でリーダーに選ばれても、仕事を失敗するだけでなく、実力のある人にねたまれて、とんでもない目にあわされるというお話しです。
おしまい
|