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羽根を切られたワシとキツネ
ある日、一羽のワシが人間に捕まりました。
捕まえた人はワシの羽根を短く切って鳥小屋の中に入れ、ニワトリと一緒に飼っておきました。
羽根を切られたワシは、あまりにも悲しいので、しょんぼりと首をたれ、エサも食べられないありさまでした。
まるで、生け捕りにされた王さまの様でした。
ところが、別の人がこのワシを買い取ってくれたのです。
今度の人はワシの傷んだ羽根を抜いて薬を塗り、新しい丈夫な羽が生えるように手当てをしてくれました。
元気に飛べる様になったワシは、ウサギを捕まえて親切なご主人に持って行きました。
それを見て、キツネが言いました。
「きみ、次の獲物は初めの人の所へ持って行けよ。前の怖い主人のご機嫌を取る事も必要だぜ。また捕まって羽根を切られるといけないから」
親切にしてくれた人には、たっぷりと恩返しをしなければなりません。
でも、意地悪な人からまた嫌な目に会わない様、用心する事も大切です。
おしまい
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