福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
       
        
       
少年と肉屋 
      
      
        二人の少年が、同じ店に肉を買いに来ました。 
 肉屋が向こうを向いて仕事をしている隙に一人が臓物を盗んでで、もう一人の少年に持たせました。 
 肉屋はこちらに向き直って、臓物が無くなっているのに気がつきました。 
「お前たちだな、盗んだのは」 
 肉屋は、少年たちに詰め寄りました。 
 すると、臓物を盗んだ少年は、 
「この通り、ぼくは持っていないよ」 
と、言いましたし、もう1人は、 
「ぼくは持たされただけで、盗んだんじゃあないよ」 
と、言うのです。 
 肉屋は、二人に言いました。 
「ごまかして、わたしからは逃げられたって、悪い奴はきっと神さまから罰を受けるからな」 
 それを聞いた二人の少年は怖くなって、臓物をその場に置いて逃げて行きました。 
 
 どんなにうまく悪知恵を働かせても、神さまを騙す事は出来ません。 
      おしまい 
          
         
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