| 福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
 
 
  
 子ヤギと笛を吹くオオカミ
   一匹の子ヤギが仲間に置いてきぼりにされていた所を、オオカミに見つかって追い駆けられました。逃げながら、子ヤギはオオカミの方に振り向いて言いました。
 「ぼくが、あなたに食べられてしまう事は知っています。
 でも、ただ食い殺されてしまうのは、あんまりなさけないから、せめて死ぬ前に、あなたが笛を吹いて、踊りを踊らせてくれませんか?」
 そこでオオカミは笛を吹いて、子ヤギを踊らせてやりました。
 ところがイヌたちが笛の音を聞きつけて、集まってきました。
 オオカミは、あわてて逃げながら言いました。
 「おれがバカだったんだ。肉屋のくせに音楽家の真似をしたからいけないんだ」
 
 この様に、今やらなければいけない事を忘れて他の事をすると、せっかく手に入れた物を失う事になりますよ。
 おしまい    
 
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