福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
旅人とたきぎの束
海岸を歩いていた旅人たちが、高い崖の上に出ました。
広い海の遠くの方に、たきぎの束が浮かんでいるのを、旅人たちはてっきり船だと思いました。
「大きな船だ。軍艦らしいぞ。この岸につけるつもりだな」
待っていると、たきぎの束は風に押されて、だんだん近づいてきました。
「あれは軍艦ほど大きくない。きっと貨物船だ」
ところが岸についたのは、たきぎの束でした。
それを見て、旅人はお互いの顔を見合わせて言いました。
「ぼくたちは、何てバカなんだろう。こんなつまらない物が岸につくのを待っていたなんて」
このお話しは、知らないうちはみんなから恐れられていても、実際に力試しをされると、たちまちつまらない人だと分かってしまう様な人の事をたとえています。
おしまい
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