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イラスト myi ブログ sorairoiro
むすびこぶ
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むかしむかし、一人の娘がいました。
この娘はとても美人ですが、大変ななまけ者で、だらしのない女でした。
糸をつむぐ時にアサの中に小さいむすびこぶ(→繊維のかたまり)でもあると、もういやになってしまって、
そのもつれた玉ぜんたいを引きちぎって、わきに放り出してしまうのです。
ところが、そこの家に一人の働き者の女中(じょちゅう)がいて、
娘が捨てたアサくずを拾い集めると、それを洗って上手につむいで、きれいな着物におってもらいました。
さて、ある若い男の人がそのなまけ者の娘をお嫁さんにほしいといって、いよいよ結婚式をあげることになりました。
その前祝いの晩に、働き者の女中さんがきれいな着物を着て楽しそうにおどっていますと、花嫁が言いました。
「あの女中、あたしの糸くずの着物を着ているのよ」
それを聞いたおむこさんが、
「それは、どういう意味だね?」
と、花嫁さんに尋ねました。
そこでお嫁さんは、
「あの女中は、わたしが捨てたアサくずでおった着物を着ているのです」
と、説明したのです。
「それは、なんとすばらしい!」
おむこさんはこれを聞くと、娘さんがなまけ者で、あの貧しい少女が働き者である事を知りました。
そこで娘さんとの結婚を断ると、あの女中さんのところへいって彼女をお嫁さんに選んだのでした。
おしまい
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