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7月28日のイソップ童話
からいばり
故郷(こきょう)の人から、いつも「へぼ選手」「こしぬけ選手」といわれているスポーツ選手が、あるとき外国へいきました。
しばらくたって故郷にかえると、この男はみんなに、いった先のいろんな国で、すばらしい成績をおさめたと自慢して、
「とくにロドス島では、ジャンプのすばらしい記録が出ましてね。オリンピックのチャンピオンも、いまだかつて出したことのない大記録をつくりましたよ。本当です。あの時見ていたロドスの人がこの町にきたら、そのとおりだったと証言してくれるでしょう」
と、いいました。
すると、それを聞いていた人々の中のだれかがさけびました。
「なあに、証人なんかいらないよ。ここがロドス島だと思って、飛んでごらん」
「そ、それは・・・」
実力のない人が、あの時はどうだったと自慢しても、誰も感心してくれません。
おしまい