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10月21日のイソップ童話
キツネと木こり
猟師に追われたキツネが、木こりの姿を見つけて、
「お願いです。わたしをどこかへかくして下さい」
と、たのみました。
木こりは、
「わたしの小屋に入って、かくれていなさい」
と、キツネをかくまってくれました。
まもなく、そこへ猟師たちがかけつけてきました。
「たずねるが、キツネを見かけなかったかね」
と、猟師たちは木こりにたずねました。
「いいえ、見ませんでしたよ」
と、木こりは答えましたが、手ではキツネのかくれている小屋をゆびさしたのです。
猟師たちは木こりの合図には気づかず、木こりの言葉だけを聞いて向こうへいってしまいました。
キツネは猟師たちが遠ざかるのを確認すると、小屋から出て、何もいわずに立ち去ろうとしました。
すると木こりは、
「やい、れいぎ知らずのキツネ! わたしがおまえを助けてやったのに、ひと言もお礼をいわずにいく気か!」
と、キツネにいいました。
するとキツネは、こう答えました。
「あなたの手つきが、あなたが口でいうこととあっていたら、わたしだってお礼をいうのですがね」
このお話しは、口先ではえらそうなことをいいながら、ひきょうなことをする人にあてはまるお話しです。
おしまい