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7月2日の小話
その指がほしい
仙人(せんにん→きびしい修行のすえ、ふしぎな力をえた人 →詳細)になった友人をたずねていった男がありました。
いろいろな話をして、さて、わかれるときになると、仙人が、
「おまえに、みやげをやろう」
と、いって、地面に落ちている豆つぶぐらいの小石を指さすと、小石は、あっというまに黄金になって、ピカピカとひかりました。
ところがこの男、頭をふると、
「そんなものは、いらない」
と、いいます。
仙人は、
「ああそうか、もっと大きいのか」
と、今度は、にぎりこぶしほどの石を指さし、これも金のかたまりにかえてしまいました。
「どうだ、これで」
仙人がいうと、またもや男は首を横にふり、
「それもほしくない」
と、いいます。仙人はこまって、
「では、いったいなにがほしい」
と、きくと、男は、
「何でも金にすることができる、おまえの、その指がほしい」
おしまい