むかしむかし、あるところに、とってもわがままな娘がいました。 「わたし、トゥルーデおばさんの所に行くの。 「なんて事を! ところが娘は、親の言う事なんかまるで聞きません。
娘はそのまま、トゥルーデおばさんの所へ出かけて行ったのです。 やって来た娘を見るなり、トゥルーデおばさんが聞きました。 「あたし、怖くって。おばさんの家のはしごで、まっ黒な人を見たのよ」 「それから、まっ青な男も見たわ」 「その次に、血みたいにまっ赤な男に会ったわ」 「それに、この家の窓からおばさんは見えなくて、頭が火で燃えているオニが見えたの」 おばさんは、不気味に笑いました。 「お前は、魔女(まじょ)が化粧(けしょう)をするところを見ただけさ。わたしはお前が来るのを待っていたんだ。さあ、光っておくれ」
そう言うとトゥルーデおばさんは、魔法で娘を木の棒に変えてしまいました。 おばさんはその棒をつかむと、かまどの火にくべてしまったのです。 そして、うれしそうにつぶやきました。 「どうだい、明るいじゃないか」 おしまい イラストレーターの夢宮 愛さんが、その後のお話しを描いています。 |
|