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グリム童話
18世紀ごろまで、民話やおとぎ話は大人のごらくの一部でした。
それが、18世紀末から19世紀前半にかけて読み書きのできる子どもふえてきたことから、子どもにも読めるやさしい昔話や童話が人気でした。
それに目をつけたのが、まずしい生活をおくっていたグリム兄弟です。
彼らは、ドイツの民衆の間でかたりつがれてきた民話を再話して、童話集「子供と家庭のための昔話集」を1812年のクリスマスに出版しました。
「昔話」には、ドイツ語のメルヘンという言葉があてられていましたが、それには民話とおとぎ話の両方の意味がこめられており、このタイトルには、大人だけでなく子供たちにも読んでほしいという願いもこめられているのです。
この第1巻におさめられたのは86話で、1815年には70話からなる第2巻が、さらに19年には1、2巻をまとめて161話をおさめた第2版が出版されました。
以後、57年の第7版にいたるまで、おもに弟のウィルヘルムによってたびたび書きなおされながら、版を重ね、現在、「グリム童話集」として広く世界で翻訳され、愛読されているのは、おもに童話200編、子供のための聖人伝説10編からなる、この最後の版のものです。
初版は、どちらかといえば大人向けのものであったため、話の内容や表現が子ども向きでない、さし絵がなくて魅力がない、といった批判がよせられました。
そのため、第2版以降は残酷な場面や性にまつわる表現などを書きあらため、会話体をふやしたり情景描写をくわしくしたりなどの文体上の改変が重ねられて、グリム童話はしだいに、口承の民話から創作童話風に、大人も子供も読む昔話から子供のための童話へと変身をとげ、いっそう広く読まれる童話集となったのです。
「きょうの世界昔話」に登場する、グリム童話。
・カエルの王さま
・おいしいおかゆ
・ハリネズミのハンスぼうや
・おりこうハンス
・かしこいチビの仕立屋さん
・キツネとネコ
・オオカミと七匹の子ヤギ
・十二人の狩人
・イブのいろんな子どもたち
・三人の軍医さん
・かしこいグレーテル
・ふしぎな楽人
・三人兄弟
・小人とクツ屋
・キツネとウマ
・おじいさんとまご
・ラプンツェル
・ジメリのお山
・トルーデおばさん
・神さまのけだものと悪魔のけだもの
・白雪姫
・三人の糸つむぎ女
・三人のなまけもの
・死神の名づけ親
・星の金貨
・キツネとガチョウ
・漁師とそのおかみさんの話
・ヒツジ飼いの少年
・ワラと炭とマメ
・お見あい
・ズルタンじいさん
・むすびこぶ
・大きな家と小さな家
・お百姓と悪魔
・おやゆび小僧
・ハツカネズミと小鳥とソーセージ
・白バラちゃんと赤バラちゃん
・天国のお百姓さん
・ガチョウ番の少女
・ウサギのお嫁さん
・ホレのおばさん
・つぐみのひげの王さま
・白鳥の王子
・あなたの大切な物
・大入道と仕立屋
・七羽のカラス
・かわいそうなフクロウ
・ミツバチの女王
・寿命
・ものしり博士
・ブレーメンの音楽隊
・死神のお使いたち
・ヘンゼルとグレーテル
・ロバの王子
・歌うガイコツ
・お墓にはいったかわいそうな少年
・千色皮
・ウサギとハリネズミ
・悪魔のすすだらけきょうだい
・シラミちゃんとノミちゃん
・ムギの穂
・6人の男が世界をあるきまわる
・みそさざいとクマ