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2010年 4月21日の新作昔話

中ぶらりんの鐘

中ぶらりんの鐘
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて

 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。

 ある日の事、お寺参りに来た二人の男が、釣り鐘の下で大声で言い合いをしていました。
「おれはこの寺の鐘を、むかしから見て知っとるが、ぶらりと下がっとる。間違いはねえ」
「いや違う。この鐘は、下がってぶらりとしとるんじゃ」
「いや、ぶらりと下がっとる」
「いや違う。下がってぶらりじゃ」
 どっちも負けずに言い合って、一歩もゆずりません。
 そこで二人は一両のお金をかけて、通りかかった人にどっちが正しいかを判断してもらおうという事にしました。
 そこへちょうどやって来たのが、きっちょむさんです。
「さあ、きっちょむさん。どっちが正しいか、決めてくれ」
 二人の言い分を聞くと、きっちょむさんは、
「まずは、一両ずつ預かりましょう」
と、言って二人からお金を受け取ると、きっちょむさんはわざと難しい顔で、
「うーん。ぶらりと下がると、下がってぶらりか。・・・はて、どっちかのう」
と、言いながら、釣り鐘の回りを、ぐるぐると見て回りました。
「きっちょむさん、早く決めてくれ」
 二人がつめよると、きっちょむさんはまじめな顔をして言いました。
「そうだ、この鐘は、中ぶらりんじゃ。『ぶらりと下がる』でも『下がってぶらり』でもなく、『中ぶらりん』じゃ。だから、どっちが勝ちでもない。・・・しかし、お金の中ぶらりんは困るだろうから、これはおらがもらっておこう。では、さいなら」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 あっけにとられている二人を残して、きっちょむさんは二両のお金をふところにしまうと、さっさと帰ってしまいました。

おしまい

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