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二人の甚五郎

二人の甚五郎
两个甚五郎


(岐阜県の民話)
(岐阜县的民间故事)

翻訳者 信陽師範学院  魏夢傑

♪音声配信
スタヂオせんむ

にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文

 むかし、飛騨(ひだ→岐阜県)の山奥に、佐吉(さきち)という彫り物のとても上手な男が住んでいました。
从前飞驒(现岐阜县)的深山里,住着一名叫佐吉的非常擅于雕刻的人。


 ある時、佐吉は腕試しをしようと旅に出かけました。
 某天,佐吉抱着想要试试自己本事的态度便开始了旅行。

 ところが、尾張(おわり→愛知県)の国まで来た時には、持っていたお金をすっかり使い果たしてしまいました。
 然而,刚来到尾张(现爱知县)的领土的时候,带的钱已经花光了。

 宿(やど)の支払いにも困った佐吉は、宿の主人に何か彫り物をさせてほしいと頼みました。
 苦于付旅馆钱的佐吉,便请求旅馆老板让他雕些什么来替代房租。

「よし、それじゃ、宿代の代わりに、何か彫っておくんなさい」
“好吧,那作为房租的支付,你就雕点什么东西吧。”

 主人が許してくれたので、佐吉はさっそく彫り始めました。
 因为获得了老板的许可,佐吉马上就开始了雕刻。

 翌朝、佐吉は見事な大黒さまを、宿の主人に差し出しました。
 第二天早上,佐吉把雕的非常巧妙的财神给了老板。

「これは見事! こんな素晴らしい大黒さまは見た事がない。
“这简直是太漂亮了,从来没见过这么逼真的财神。

 これは、家の家宝にさせて頂きます」
 这简直是可以当做我家的传家宝了。”

 大喜びする宿の主人に、佐吉は申し訳なさそうに。
 看着非常高兴的老板,佐吉又说道:

「彫る木が手元になかったもので、この部屋の大黒柱(だいこくばしら)をくり抜いて使わせてもらいました。お許しください」
“因为我在房间里边没有找到能雕刻的东西,不经意间就使用了这个。还请您不要介意。”

「・・・?」
“ 。。。”

 宿の主人が大黒柱を調べてみましたが、傷一つ見当たりません。
 旅馆老板研究了好大一会儿,也没看见顶梁柱有一处伤痕。

「はて、この大黒柱でしょうか?」
“额,是这个大黑柱吗?”

「はい。これです」
“嗯,就是这个啊。”

 そう言って、佐吉がポンと手を叩くと、カタンと柱の木が外れました。
 说完,佐吉砰的一声敲了下木柱,然后出现了一些毛头,而且柱子本身也有些脱落。

 なるほど、確かに中は空洞です。
 原来如此,中间是镂空的啊。

 すっかり感心した宿の主人は佐吉の事を、その頃、日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)の造営(ぞうえい→建物を建築する事)にたずさわっていた彫り物名人、左甚五郎(ひだりじんごろう)に知らせました
 完全令旅馆主人敬佩的是,佐吉的事竟被参与日光东照宫的建设雕刻名人左甚五郎所知道。

 甚五郎は、さっそく佐吉を呼び寄せて、
 不久后,甚五郎召见了佐吉。

「何でもいい、お前の得意な物を彫ってくれ」
“什么都行,给我拿出你优秀的作品”

と、言いました。
 这样问道。

 そこで佐吉が彫ったのは、いまにも動き出しそうな見事な仁王(におう)さまです。
 因此佐吉雕刻完了,而且是直到现在都没看见过如此逼真漂亮的哼哈二将。

 甚五郎はすっかり感心して、佐吉を東照宮の造営に参加させる事にしました。
 甚五郎非常敬佩佐吉,就请佐吉参与东照宫的建设。

「わたしは、竜を彫ろう。佐吉、お前は山門のネコを彫れ」
说道:“我雕刻龙,佐吉你雕刻寺院大门口的猫。”

 天下の左甚五郎に認められたうれしさに、佐吉は力一杯彫り続けました。
 被天下的左甚五郎所器重的喜悦之情,佐吉不遗余力的雕刻着。

 毎日毎日彫り続けて、とうとう山門のネコが彫り上がりました。
 每天不间断地雕刻,终于寺院门口的猫完成了。

 そして、甚五郎やほかの弟子たちの仕事もすべて終わり、東照宮は完成しました。
 随之,甚五郎和他的弟子们也都完工了。东照宫的建造完成了。

 検査(けんさ)の役人たちも、その見事さには、ただ驚くばかりです。
 来检收的官吏,看见如此精湛的雕刻,非常震惊。

 甚五郎を始め、みんなはたいそういい気分になり、その夜は酒やごちそうでお祝いをしました。
 以甚五郎为首的大家都很开心,值此之夜,大家享受着酒宴互相祝福着。

 酒を飲み、歌い、盛り上がったみんなは、疲れていたのか、たくさんのごちそうを残したまま、グーグーと眠ってしまいました。
 喝酒,唱歌,被热烈的氛围包围着的大家,也不知道是累了,不管残剩的酒席,就睡着了。

 ところがその翌朝、みんなが目覚めてみるとどうでしょう。
 等到第二天早上,大家醒来一看,咦,怎么回事儿

 あれほどたくさんあったごちそうが、一晩のうちになくなっているのです。
 那么多的残羹剩菜怎么一晚上就没了呢?

「お前が食べたんじゃろうが!」
“你吃了?”

「とんでもない、お前こそ!」
“怎么能这么说的,是你吃了吧。”

 弟子たちの言い争いを聞くうちに、甚五郎と佐吉はハッと顔を見合わせました。
 正当弟子们争论不休的时候,忽然,甚五郎和佐吉对了一下眼神。

 甚五郎はノミと木づちを持ち、山門へと急ぎました。
 随即,甚五郎拿着凿子和木锤,急速的赶往寺院门口。

 佐吉も黙って、あとを追います。
 佐吉沉默了一下,然后也追了过去。

 山門へ来てみると、佐吉の彫ったネコのまわりに、ごちそうを食いちらした跡があります。
 来到寺院大门,看见佐吉雕刻的猫周边有剩菜吃的到处都是的痕迹。

 甚五郎はクワッと目を見開くと、
 甚五郎猛地睁开眼睛。

 カーン!
“嘭“的一声,

と、ノミと木づちをふるいました。
 甚五郎手里拿的凿子和木锤抖了一下。

 その一刀のもとに、佐吉のネコは眠りネコになってしまいました。
 那一刀,佐吉的猫就仿佛睡着了一样

 佐吉は甚五郎の腕のあまりのすごさに、思わず地面にひれ伏しました。
 比起佐吉,甚五郎的本领太厉害了,不由得跪拜在地。

「左甚五郎先生!」
左甚五郎老师!

 甚五郎は佐吉の肩に手を置き、しみじみと言いました。
 甚五郎手放在佐吉的肩上,感慨地说道。

「佐吉よ、彫り物のネコに魂が入るとは、お前はまことの名人じゃ。
“佐吉,你雕的猫真的仿佛有了灵魂,你才是真正的名人。

 これより、わしの名を取って『飛騨の甚五郎』と名乗るがよい」
 从今后、你可以用我的名字,称为'飞驒甚五郎'吧

「はいっ、ありがとうございます!」
“谢谢师父。”


 佐吉の彫ったネコは、そのあと、『日光東照宮の眠り猫』として、とても評判になりました。
 从此以后,佐吉雕刻的猫被称为“日光东照宫的打盹儿的猫”获得了很高的评价。

 それにつれて飛騨の甚五郎の名前も、大変有名になったという事です。
 随着这些连“飞驒的甚五郎“这个名字,也变得很有名。

おしまい
完结

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