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八人の真ん中

八人の真ん中
八个人的正中


(彦一のとんち話)
(彦一的故事)

翻訳者 信陽師範学院  愛琴陽光

♪音声配信
☆横島小次郎☆

にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文

 むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。
 很久很久以前,有一个小孩叫彦一,他很聪明。


 ある日の事、お城から彦一のところへ、こんな知らせが届きました。
 一天, 彦一收到了来自城里的通知:

《若さまの誕生祝いをするから、庄屋(しょうや)と他に村の者を六人合わせた八人で城へ参れ。人数は、きっかり八人で来るように》
“因为我们要为我家少爷庆祝生日,所以届时请你和村长再从村里选六个人,共你们八个到城里来。记住人数一定要是八个人”。

 それを知った庄屋さんは、大喜びです。
 知道这件事的村长很高兴

「お城からお呼びがかかるとは、ありがたい事だ」
“竟然收到了来自城里的邀请,真是太荣幸了”。

 しかし彦一は、その手紙を見ながら考えました。
 然而,彦一却一边看信一边想

「八人きっかりと、念を押しているところがあやしいな。あの殿さまの事だ、また何か企んでいるに違いないぞ」
“为什么老爷反复强调一定要八个人呢,真奇怪啊,一定是另有企图”。


 さて、お城へ行く日になりました。
 很快进城的日子到了。

 彦一と庄屋さんは、村人の六人と一緒に言いつけ通りの八人でお城に向かいました。
 彦一和村长还有村里的六个人,按照老爷吩咐的八个人一起进了城。

 庄屋さんと彦一以外の六人は、生れて初めて入るお城に緊張しています。
 除了村长和彦一,其他六人都是从出生以来第一次进城里的公馆,所以很紧张。

「お城では、どんなごちそうが出るんだろう?」
“城里会有什么好吃的呢。”

「おら、ごちそうの食べ方なんて、知らねえぞ」
“啊,可是不知道哪些好吃的东西的吃法啊!”

「おらもだ。失礼があったら、どうしよう?」
“是啊,要是做出什么失礼的事,该怎么办呢?”

 すると、彦一が言いました。
 这时,彦一说:

「大丈夫。庄屋さんの真似をすればいいんだよ」
“没关系,大家照着村长的样子做就行了。”

「そうか、それもそうだな」
其他六人说:“是啊,我们可以这样做啊。”

 そう言っている間に、八人はお城の大広間に通されました。
 这么说着说着,八个人就到了公馆的大厅。

 大広間では、すでに若さまのお誕生日を祝う会が始まっています。
 大厅里,正举行着少爷的生日宴会。

 正面の高いところから殿さま、奥さま、若さま、そして大勢の家来たちやお付きの人たちが並んでいます。
 在对面高高的地方站着老爷,夫人,少爷还有很多家臣和随从。

 その前に進み出た庄屋さんが、深々と頭を下げてあいさつをしました。
「若さまのお誕生日、おめでとうございます」

 长便往前去,深深地低下头道贺:
“祝少爷生日快乐!”

「おう、参ったか。うむ、きっかり八人で来たな。わははは」
“哦,你们来啦,正好八个人啊,哇哈哈哈”

 殿さまの笑い声からすると、やはり何かをたくらんでいる様子です。
 从老爷的笑声中,彦一仍感觉老爷另有企图。

「さあ、苦しゅうないぞ。遠慮なく、こっちへ参れ。若もその方が、喜ぶからな」
“快别客气,到这边来,少爷也很高兴呢!”

 言われて彦一たちが前に進み出ると、殿さまはニヤリと笑いながら言いました。
 听到这么说,彦一等人正要往前去的时候,老爷就微笑着说:

「ああ、それから彦一に、注文をいたすぞ。 彦一は、並んだ八人のちょうど真ん中に座る様にいたせ。よいな。
“接下来我想求彦一办件事,请你做在你们并排的八个人的正中间,可以吗。

 それが出来なければ、すぐに帰るがよい」
 如果做不到的话,请立马回去。”

 やはり彦一たちを八人で呼んだのは、殿さまのはかりごとだったのです。
 原来老爷叫彦一等八个人过来是出于这一目的啊。

 家来やお付きたちはみんな飲み食いを止めて、彦一がどうするかと見つめました。
 这是正在吃饭喝酒的家臣和随从也停止了,都等着看彦一到底怎么办呢。

 人数が五人とか七人とか九人だったら、ちょうど真ん中に座る事が出来ます。
 因为如果是五个人或者是七个人,九个人的话,就能做到正中间。

 けれど八人では、そうはいきません。
 但是八个人是做不到的,

「あの小僧。知恵者だと評判だが、どうするつもりだろう?」
“小家伙,人人都说你很聪明,你打算怎么做呢?”

「しかし殿さまも、お人が悪い。八人ではどう考えても、真ん中に座れないではないか」
“但是老爷,你真是太坏了。八个人的话,无论怎么想,都不可能做到正中间去不是吗?”

 それを聞いた庄屋さんは、彦一のそでを引いて言いました。
 听到彦一的话,村长暗中提醒他说:

「彦一。八人ではどう考えても、真ん中に座るのは無理だ。ここは、謝って帰ろう」
“彦一,八个人的话无论怎么想都不可能做到正中间,我们还是现在向老爷告辞回去吧。”

 でも彦一は、ニッコリ笑って殿さまに言いました。
 但是彦一笑着对老爷说:

「殿さま。わたしが真ん中に座れば、どのような座り方をしてもいいのですか?」
“老爷,只要我是坐在正中间,无论采用哪种坐法都行吗?”

「ああ、良いとも。ただし、上に重なったりしては駄目だ」
“都行,但是不能骑到别人头上。”

「承知しました」
“知道了。”

 彦一は振り返ると、庄屋さんや村人たちに言いました。
 彦一就回去对村长和六位同村的人说:

「みんなでわたしを囲んで、丸く座って下さいな」
“请大家围着我,坐成一个圆形。”

 みんなは言われた通り彦一を中心(ちゅうしん)にして、丸く車座(くるまざ→輪になって座る事)に座りました。
 大家就按照彦一所说的,以彦一为中心坐成了一个圆形。

 これなら七人でも八人でも、ちゃんと真ん中に座る事が出来ます。
 这样以来,无论是七个人还是八个人都能坐在正中间了。

 それを見た殿さまは、思わず手を叩いて言いました。
 看到这,老爷不禁拍手称赞说:

「うむ、あっぱれ! 彦一よ、この勝負はそちの勝ちじゃ!」
“啊,非常好。彦一,你们胜了!”

 殿さまの言葉に、家来も庄屋さんたちも大喜びです。
 听到老爷的话,家臣和随从也很高兴。

 こうして彦一のとんちのおかげで、庄屋さんたちみんなはおいしいごちそうにありつける事が出来たのです。
 多亏了彦一的聪明才智,村长等人都吃到了美味佳肴。

おしまい
完结

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