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8月27日の日本の昔話
弓の名人と二羽のツル
射箭高手摎二隻白鶴
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある村に、正直で働き者のお百姓さんと息子がいました。
頭擺頭擺,某隻村莊,有一個老實、煞猛个農民摎倈仔。
お百姓さんの息子は弓の名人で、どんな鳥でも射落とす事が出来ました。
農民个倈仔係射箭高手,無論麼个鳥仔都做得射下來。
ある年の事。
某年。
「よく働いたおかげで、今年も豊作だ」
「因為煞猛打拚,今年又係豐收。」
と、喜んでいると、一晩のうちに田んぼがふみ荒らされて、せっかくの稲がメチャクチャになってしまいました。
當歡喜時節,田一暗晡分人躙壞壞,恁寶貴个禾仔變著鬞棚棚。
「誰が、こんなひどい事を!」
「麼人做出恁積惡个事!」
次の晩、怒った息子は弓矢を持って、田んぼのすみに隠れました。
第二暗晡,火著个倈仔拿等弓箭囥在田角。
そして夜中になると、突然美しい二人の娘が現れて、稲をふみながらおどりはじめました。
到半夜,忽然間,兩個靚細妹仔出現,開始緊跺禾仔緊跳舞。
(何て、きれいな娘だ)
(仰有恁靚个細妹仔。)
息子はしばらくの間、文句を言うのも忘れて見とれていました。
倈仔目金金看到呆忒,毋記得怪怨。
それでも二人がおどるたびに、稲はメチャクチャになってしまいます。
兩個靚細妹仔跳舞時節,禾仔搣著鬞棚棚。
(大切な稲を、許せねえ!)
(摎恁寶貴个禾仔搣著鬞棚棚,做毋得原諒!)
息子は弓に矢をつがえて、飛び出しました。
倈仔拿起弓箭、走等出去。
「やいやい!何のうらみがあって、おらの田んぼを荒らすんだ。おどりをやめなければ、この矢を胸に打ち込むぞ!」
「噯,噯!摎你有麼个仇恨,仰會躪𠊎个田。若係你毋停止跳舞,這支箭斯會射穿你个胸脯!」
そのとたんに二人の娘はおどりをやめて、息子の前にきて頭を下げました。
該下,兩個細妹仔就停止跳舞,在倈仔面前行禮。
「どうか、お許しください。実はあなたにお会いしたくて、おどっていたのです」
「請原諒𠊎,事實係想愛見到你,正會來這跳舞。」
「何、おらに会うためだと?」
「麼个,想愛見𠊎?」
「はい、こうして人間の姿になっていますが、わたしたちは実はあの山に住むツルでございます。
「係啊,為著這,𠊎兜看起來像人類个樣子,但係實際上係戴在該座山頂个白鶴。
ある日、一羽の大ワシがやってきて、私たちの仲間を次々と殺し始めたのです。
有一日,一隻大扡婆飛過來,摎𠊎个朋友一隻一隻㓾死,
このままでは、みんな大ワシに食われてしまいます。あなたは、弓の名人と聞きます。どうか大ワシを退治して、私たちを助けてください」
照恁樣下去,會分扡婆食淨淨,𠊎聽講你係射箭高手,請你射死扡婆,救𠊎兜。」
そう言うと二人の娘は、ツルの姿にもどりました。
講煞,兩個細妹仔斯變轉白鶴。
「そうか。よし、わかった。おらにまかせておけ」
「有影無?好,𠊎知了,該就交分𠊎。」
「それでは、わたしの背中に乗ってください」
「這下,請坐在𠊎个背囊頂。」
息子が一羽のツルの背中に乗ると、もう一羽のツルが先頭になって山へ向かって飛んでいきました。
倈仔坐上白鶴个背囊頂後,另外一隻白鶴在頭前帶路飛去山頂。
ツルの背中からおりた息子が岩かげにかくれていると、大ワシがゆっくり羽を動かしながら飛んできました。
對白鶴个背囊下來个倈仔,囥在岩石後背時節,一隻大扡婆慢慢飛過來。
(あの大ワシだな。・・・今だ!)
(係該隻那隻大扡婆敢...就這下!)
息子は大ワシに狙いを付けて、矢を放ちました。
倈仔看準準該隻大扡婆,射出一支箭。
すると矢は風を切って、大ワシののどを見事につらぬきました。
箭飛當遽,射穿大扡婆个喉嗹。
「ギャォォーー!」
「 gia~!」
大ワシはものすごい叫びとともに落ちてくると、頭から岩にぶちあたりました。
大扡婆叫到當悽慘跌下來,頭那搉到岩石。
それを見た二羽のツルは、飛び上がって喜びました。
看著這情形,兩隻白鶴暢到飛起來。
そしてあちこちにかくれていたツルの仲間も飛び出してきて、息子のまわりをうれしそうにはねまわりました。
囥在這位、該位,滿天个白鶴也暢到飛過來,圍等倈仔歡喜到跳上跳下。
息子がツルの背中に乗って田んぼへ戻ってくると、ふみ荒らされたはずの稲は元通りになっていて、見事な黄金色の穂がゆらゆらとゆれていました。
倈仔坐在白鶴个背囊頂倒轉去田个時節,應該分人跺壞忒个禾仔早就恢復原樣,金黃色、當靚个禾串隨風搖動。
それからはどんなひどい天気の年でも、この田んぼだけは大豊作だったそうです。
過後,無論在幾壞个天時,聽講斯這片田都係豐收。
おしまい
煞咧
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