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 9月5日の日本の昔話
 
  
 うわばみ退治
 消滅蟒蛇
 
 福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
 
 ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
 
 投稿者 「カボスひろし」  大分県産カボスひろしTV
 むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,非常樂線。
 ある日の事、吉四六さんは畑でとれた小麦(こむぎ)を村はずれの水車(すいしゃ)小屋に持って行って、粉にしてもらいました。
 有一日,吉四六先生摎園肚个小麥拿去村郊个水力麵粉工廠,愛摎佢磨做麵粉。
 「これで、うまいうどんでも作って食べよう」
 「用這做好食个烏龍麵來食!」
 ごきげんで家に帰ろうとすると、突然うわばみ(→大蛇)が現れたのです。
 心情當好行轉屋下時節,忽然間出現一條蟒蛇。
 うわばみは大きな口を開けて、吉四六さんを飲み込むつもりです。
 蟒蛇大嘴開開,打算摎吉四六先生食落去。
 
 「うへぇっ!」
 「阿姆哀!」
 いかに吉四六さんがとんちの名人でも、うわばみにとんちは通じません。
 就算吉四六先生係伶俐出名,乜無法度瞭解蟒蛇會做麼个。
 吉四六さんが慌てて逃げ出すと、うわばみも追いかけて来ました。
 吉四六先生慌慌張張瀉走時節,蟒蛇乜跟在後背追等來。
 さいわい松の木があったので、吉四六さんは松の木によじ登りましたが、うわばみはなおもしっこく追いかけて来て、大きな口をアングリと開けました。
 想毋著有一叢松樹,所以吉四六先生蹶上樹頂,但係蟒蛇還係跟在後背追等來,大嘴開開。
 「こりゃあ、もう駄目だ。なむあみだぶつ」
 「壞蹄了,南無阿彌陀佛。」
 
 その時です。
 該下。
 ガタガタと震えていた吉四六さんのふところから、大事にしまっていた粉の包みが落ちてしまい、それがうわばみの口にすっぽりと入りました。
 驚到吃吃惇个吉四六先生,摎一袋重要个麵粉無拿核跌下去,的對跌落蛇嘴肚。
 びっくりしたうわばみは、自慢のキバで粉の包みを噛み破ったからたまりません。
 著驚个蟒蛇,用厥當沙鼻个牙齒咬爛麵粉袋。
 ゴホッ、ゴホホホゴホ。
 Goho,Gohohohogohoho。
 ハックショーン、ゴホゴホ、ハックショーン。
 Hackshawn,Gohogoho,Hackshawn。
 うわばみは、せきとくしゃみをしているうちに粉を喉に詰まらせて、バッタリと死んでしまったのです。
 蟒蛇在該嗽、摎打哈啾个時節,因為分麵粉塞著、忽然間死忒。
 さて、この事が村人に知れ渡ると、村人たちは大いに吉四六さんを褒め称えました。
 村民大家都知著這事情時節,該兜村民非常阿𧩣吉四六先生。
 
 「粉の包み一つでうわばみを退治するとは、さすがは吉四六さんじゃ」
 「吉四六先生用一包麵粉就消滅蟒蛇,斯吉四六先生正做得到。」
 「よくぞ、あの厄介者のうわばみを退治してくれた」
 「好,得人惱个蟒蛇總算消滅了。」
 
 でも、吉四六さんはあまりうれそうではありません。
 但係,吉四六先生無幾歡喜樣。
 (まったく、今回はただ逃げていただけで、とんちを使うひまもなかった。・・・おもしろくねえ)
 (實在係,這擺斯因為愛逃走,連用吾聰明才智个時間都無。...無生趣。)
 吉四六先生就係該種人。吉四六さんは、そんな人です。
 おしまい煞咧
   
 
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