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福娘童話集 > 日本民話 > その他の日本民話 > 島女(しまじょ)の祠(ほこら)

第 1話

島女(しまじょ)の祠(ほこら)

島女(しまじょ)の祠(ほこら)
長崎県の民話長崎県情報

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 : ひろりん

 むかしむかし、石田(いしだ)のお城には、島女(しまじょ)という御殿女中(ごてんじょちゅう)がいました。
 気立てがよく、みんなの嫌がる仕事でもすすんでやるので、城の者や女中仲間からも大変可愛がられていました。
 ある日の事、殿さまは島女に、茶を持ってくるよう命じました。
 島女はしばらくして、茶を持ってもどって来ました。
 ところが部屋へ入ろうとしたとき、うっかり敷居(しきい)をふんでしまい、そのひょうしに、
 グーー!
と、妙な音が出たのです。
 それを聞いた殿さまは、
「これ、今の音は何じゃ?」
と、尋ねました。
「お許し下さいませ、敷居がきしんだのでございます」
 島女が答えると、殿さんは笑いながら、
「敷居ではのうて、お前の尻がきしんだのではないか?」
と、冗談でいいました。
 すると、そばにいた家来たちも、クスクスと笑いました。
 島女は顔をまっ赤にすると、おじぎをして、逃げるように部屋を出て行きました。
 ところがその夜、島女は城を出たきり、いつまでたっても戻ってこなかったのです。
 心配した女中たちが探しに行くと、なんと大津の町外れの海に浮いている島女が見つかったのでした。
 いくら冗談でも、島女にしてみれば死ぬほど恥かしかったのでしょう。
 これを知った殿さまは、自分の軽い冗談を大変後悔して、あわれな島女のために、城山神社(しろやまじんじゃ)の境内に祠(ほこら)を建ててやりました。
 そしてこの島女が大変な豆腐好きだったので、人々はこの祠の前を通るときは、かならず豆腐を供えてやったそうです。

おしまい

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