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11月13日 うるしの日

11月13日 うるしの日

文徳(もんとく)天皇の第一皇子惟喬(これたか)親王が京都・嵐山の法輪寺に参篭し、虚空蔵菩薩からうるしの製法、漆器の製造法を伝授されたのがこの日であるとされていることから、1985(昭和60)年に日本漆工協会が制定しました。日本の伝統文化であるうるしの美しさを今一度見直して日本の心を呼び戻すことを目的にしています。

記念日アニメ
11月13日 うるしの日

うるしに関する昔話
(栃木県の民話)

たましいの入った竜
福娘童話集より

 むかしむかし、宇都宮(うつのみや)に、うるし商人の武太夫(たけだゆう)という男がいました。
 今日はすすはらいの日なので、武太夫は朝から畳(たたみ)を外へ出してたたいたり、家の中をそうじしたりして、体中がほこりだらけになっていました。
「おふろがわいておりますので、どうぞ」
と、奥さんがいうと、武太夫は、
「ふん! 一番湯は体によくない。隠居(いんきょ)のおやじを先にいれろ」
と、いうのです。
 武太夫は大金持ちでしたが、それにはわけがありました。
 数年前のある日、山奥の谷川のふちの底に、大量のうるしを見つけたのです。
 うるしは、うるしの木の皮からとれる汁で、おわんなどのぬり物につかわれます。
 そのうるしが長いあいだ水に運ばれて、ふちの底にたまったのです。
 うるしは高価なもので、無断でとることを禁じられていましたが、武太夫はこの谷川の底のうるしを少しずつ売り、大金持ちになったのです。
 武太夫は秘密のうるしを、いつまでも自分だけのものにしておきたいと思いました。
 それで腕のよい細工師(さいくし)に、おそろしいの細工をつくらせて、人がこわがってよりつかないように、うるしのあるふちの底にしずめたのでした。
 しばらくすると竜の細工は、上流から流れてくるうるしや水あかなどがついて、おそろしい本物の竜のようになっていました。
 ある時、武太夫は十四歳になる一人息子の武助(たけすけ)をつれて、山奥のふちへいきました。
 そして、うるしの秘密を話すと、
「このうるしは、わしらだけのものじゃ。わざわざ木を切りつけて汁をとらなくても、いくらでもここへたまっておる。いいか、わしがするのをよく見て、うるし取りの練習をするんだぞ」
 武太夫は息子にいいきかせて、親子でふちへ入っていきました。
 すると竜の細工がとつぜん頭をあげて、息子にとびかかってきたのです。
 細工の竜は水の中にいるうちにたましいが入って、いつしか本物の竜になっていたのです。
 あわてた武太夫は息子を助けようとしましたが、竜が相手ではどうにもなりません。
 やがてふちの水の上に、二つの死体がうかびあがって下流へ流れていきました。
 二人の死体は二日目になって、村に近い川原でひきあげられました。
 取り調べの結果、武太夫はうるしの盗みどりをしていたことがわかりました。
 そして罰(ばつ)として、新しくたてたばかりの家や財産は、すべてをとりあげられてしまったのです。
 あとに残された武太夫の父親と奥さんは、とてもまずしい生活を送ったという事です。

※ 宮城県にも、同じような民話があります。 →  生きている竜

おしまい

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茨城県民の日
茨城県が1968(昭和43)年に制定。
1871(明治4)年、廃藩置県によって茨城県が誕生しました。
郷土の歴史を知り、より豊かな暮しと県の発展を願い、茨城の現在・過去・未来を見詰め直す日。

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