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2月17日のイソップ童話
  
  
  
ネズミの会議
   ある家に、ネズミをつかまえるのがとてもじょうずなネコが一ぴきいました。
    おかげでネズミたちはいつもビクビク、巣からも出られず、おなかはいつもペコペコでした。
    そこである日、ネズミたちがあつまって会議を開きました。
    一ぴきの若いネズミがいいました。
  「ネコの首に鈴をつけましょう。そうすれば、ネコが来るのがすぐにわかるでしょう。チリンチリンと音がしたら、さっさと逃げればいいのです」
  「さんせい、さんせい」
    みんな手をたたいてよろこびました。
    そのとき、一ぴきの年よりネズミがいいました。
  「それは良い考えだ。だが、だれがネコの首に鈴をつけにいってくれるのかな」
    とたんに、みんなだまりこんでしまいました。
    みんなネコをこわがって、鈴をつけにいくネズミは一ぴきもいなかったのです。
  
    よい作戦があっても、それを実行できる人がいなければ、どうにもなりません。
おしまい