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4月20日のイソップ童話
  
  
  
オオカミとサギ
    オオカミが骨をのどにつきさして、痛くてたまらないので、だれかぬいてくれないかと、さがしまわっていました。
    すると、ちょうどよいことに、サギがむこうからきました。
    オオカミは、
  「すみませんが、のどに刺さった骨をぬいて下さい。お礼はきっとしますから」
  と、たのみました。
    サギは、オオカミののどの奥へ首をつっこんで、骨をぬいてやりました。そして、
  「さあ、約束のお礼を下さい」
  といいますと、オオカミは、こう、答えました。
  「おい、きみ、オオカミの口の中につっこんだ頭を、かすり傷1つなしに、ぶじに出せただけで、じゅうぶんではないのかね。まだ、そのうえにお礼が欲しいのかい」
  
    この話でわかるように、悪いやつに親切にしても、恩がえしは期待できません。
    お礼のかわりに、ひどいしうちをされずにすめば、さいわいだ、ということになるのです。
おしまい