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5月2日のイソップ童話
  
  
  
ライオンとイルカ
    ライオンが海岸をさんぽしていると、イルカが水から頭を出しているのが見えました。
  「やあ、イルカくん、どうだね、ぼくと同盟をむすばないか」
  と、ライオンは話しかけました
  「なにしろ、きみは海の動物の王さまだし、ぼくは陸の動物の王さまだから、われわれがなかよしになって同盟をむすぶのは、じつにいいことだと思うのだが」
    イルカはよろこんでさんせいしました。
    さて、このライオンは、ずっと前から野生のウシと戦争をしていたので、イルカに応援をたのみました。
    イルカは水から出ようとしましたが、どうしても出ることができません。
  「ひどいじゃないか、味方をうらぎるなんて」
  と、ライオンはイルカをなじりました。するとイルカは、
  「ぼくをせめたってだめだよ。せめるならイルカの性質をせめてくれ、生まれつき海でくらすようになっているのだから、陸を歩くことはできないのさ」
  
    わたしたちも友だちを作るときは、いざというときにちゃんと力を貸してくれることができる人を、えらばなくてはなりません。
おしまい