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5月26日の小話
死んだのは病人
   昔から、江戸っ子とよばれる人間は好奇心(こうきしん→知りたがりや)おうせいで、人ごみがあると、とにかく集まるのです。
   町かどで、おおぜい集まって、そうしきをしておりました。
  「りっぱなもんだ」
  と、みんなで感心しておりますと、とおりがかった人がたずねました。
  「いったい、どなたが死にましたので」
   すると、ひとりの江戸っ子、
「これかい、これはだなあ、病人が死んだんだ」
おしまい