夜泣き・おねしょのおくすり童話 福娘童話集
 


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まゆにつば

まゆにつば

 むかし、ある山寺に、たいそうかしこい小僧がいました。
 ある日の夕方です。
 小僧が和尚(おしょう→詳細)さんにようじをたのまれて、町へおりることになりました。
「では、いってまいります」
 小僧が山みちをおりていくと、一ぴきのいたずらダヌキが、町の酒屋のでっち(→住み込みで働く子ども)にばけて、うしろからこえをかけました。
「夕方は、キツネやタヌキにばかされやすいから、いっしょに町までいくよう、和尚さんにいわれてきました」
「それはごしんせつに。ところで、でっちどんはいつ、山寺へこられました?」
「ほんのさっき、きゅうなとどけものがあって、きたばかりです」
 タヌキのでっちは、すまし顔です。
 でも、町の酒屋なら、きのう、みそもしょうゆも和尚のすきなお酒も、とどけにきたばかりです。
(さては、いたずらダヌキだな。なにか、たくらんでいるのだろうが、ようし、はんたいにだましてやろう)
 小僧は、だまされないおまじないに、まゆにつばをつけると、ニコニコでいいました。
「これは、いいみちづれができてよかった。ところで、でっちどん。このあいだかした百文(三千円ほど)のお金、きょうかえしてくれるはずでしたね」
と、手をだしました。
 タヌキはでっちにばけたてまえ、しらないとはいえません。
「いま、かえそうとおもっていたんですよ」
 しぶしぶ、百文をわたしました。
「そうそう、そのまえにかした二百文も、きょうというやくそくでしたよ」
 タヌキは、二百文とられました。
 これですんだわけではありません。
 小僧はさらに、
「そういえばひと月まえに、小ばん(7万円ほど)を一まいかしたのも、きょうというやくそくでしたね」
と、タヌキのあり金を、のこらずまきあげてしまいました。
 これいじょういっしょにいたら、まだまだ、なにをいわれるかわかりません。
「ちょっと、ほかにまわっていくところがありますので」
と、とちゅうからにげだしました。

おしまい

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