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2010年 5月7日の新作昔話
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隠れていないよ
インドの昔話 → インドの説明
むかしむかし、ある泥棒がおまわりさんに見つかって、自分の家へと逃げてきました。
そして自分の家の倉にやって来ると、近くにいた六才になる息子に言いました。
「いいか、もうすぐ誰かがやって来て、『お父ちゃんは、どこにいる?』と聞いても、絶対に倉にいるなんて言うなよ」
「うん、絶対に言わないよ」
「よし、良い子だ」
安心した泥棒が倉に飛び込むと、間もなくおまわりさんがやってきました。
おまわりさんは辺りをキョロキョロと見回しますが、そこには息子以外、誰もいません。
「おかしいな? 確かにこの辺に逃げてきたはずだが」
そこでおまわりさんは、息子に尋ねました。
「ねえ、坊や。さっきここに、誰かがやって来なかったかい?」
すると息子は、大きな声で元気に言いました。
「ううん。お父ちゃんは、ぜったい倉なんかに隠れていないよ」
「おや? 変な言い方だな」
おまわりさんは息子の返事をあやしく思って、倉の中に入っていきました。
すると泥棒は倉の奥の方で、小さくなって隠れていたのです。
おしまい
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