福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     7月23日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
米騒動の日
きょうの誕生花
ジンジャー
きょうの誕生日・出来事
1787年 二宮金次郎
 7月23日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
なぞなぞ絵てがみ
きょうの世界昔話
ガチョウ番の少女
きょうの日本民話
竜女おすわ
きょうのイソップ童話
太陽とカエル
きょうの江戸小話
ウマのしりにおふだ
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 平太郎屋敷の化け物

2010年 7月23日の新作昔話

平太郎屋敷の化け物

平太郎屋敷の化け物
広島県の民話広島県情報

 むかしむかし、広島のある大きな屋敷に、稲生平太郎(いのうへいたろう)という、十六歳になる若者がいました。
 両親が亡くなったので、身のまわりの世話をする人たちと暮らしていました。
 ある日の夜、となりの部屋からうめき声が聞こえました。
 となりの部屋には、平太郎の世話をしている権平(ごんべい)という男が寝ています。
 その声がだんだん大きくなるので、平太郎はふとんから飛び起きて権平をゆり起こしました。
「権平! どうした! 何があった!」
 権平は玉のような汗をかいていて、ブルブルとふるえながら答えました。
「実は、ものすごい大男が現れて、わたしをふとんの上から押しつぶそうとしたのです」
 すると平太郎は、あきれた顔で、
「何を馬鹿な。夢でも見たのだろう」
と、部屋へ戻っていきました。
 そのとき、ヒューッ! と、風がふきこんできて、行灯(あんどん)の灯が消えました。
 そして障子に、赤い火の影がうつりました。
「火事か!」
 平太郎は火事かと思い、大急ぎ障子に手をかけました。
 すると火の影は消えたのですが、誰かが反対側から押さえつけているようで、いくら力を入れても障子はピクリとも動きません。
「そこにいるのは何者だ!」
 すると稲妻の光に照らされて闇の中からうかびあがったのは、障子を反対側から押さえている、丸太のように太い毛むくじゃらの腕だったのです。
「さっき権平が言った大男は、こいつか!」
 平太郎が柱に片足をかけて、何とか障子を開くと、強い光は、となりの家の屋根の上あたりからさしてきました。
 よく見ると、それは一つ目の化け物の目玉です。
 さっきの赤い火の影は、この化け物の目の光だったのです。
 化け物の腕が、平太郎を捕まえようと伸びてきました。
「なにくそ!」
 平太郎は刀を手にすると、太い毛むくじゃらの腕に斬りかかりましたが、化け物の腕はそれをさけると、すーっと引っ込みました。
 その騒ぎを聞いて、となりの家にすむ友だちの権八(ごんぱち)が、家の中へ飛び込んできました。
「どうした! 何があったんじゃ! たったいま門の前で、茶碗を持った小坊主がおれの前を通りすぎていったが」
「そいつがあやしい!」
 平太郎は外へ出ていきましたが、権八が出会ったという小坊主の姿はもうありませんでした。
 そしてこの夜から、なんと一ヶ月もの間、ぴょんぴょんと飛び跳ねる首の化け物や、一メートルもある大ガニの化け物など、毎晩の様に平太郎の屋敷に現れたという事です。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識