2021年1月18日の新作昔話 読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。 アニメサイズ Max 1980×1080 youtubeの設定で変更可能
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 二人は子どもがいなかったので、シロというイヌをとても可愛がっていました。 「ここほれワンワン、ここほれワンワン」 「おや? ここをほれと言っているのか。よしよし、ほってやろう」 おじいさんがほってみると、 なんと、地面の中から大判小判がザクザクと出てきたのです。 この話を聞いた、となりの欲張りじいさんが、 「わしも、大判小判を手に入れる。おめえのシロを、わしに貸してくれや」 欲張りじいさんは、シロを無理矢理畑に連れて行きました。 そして、嫌がるシロがキャンキャンないたところをほってみると、くさいゴミがたくさん出てきました。 イラスト 11 (イラストタッチでイラスト大) 「この役立たずのイヌめ!」 怒った欲張りじいさんは、なんと、シロを殴り殺してしまったのです。 イラスト 15 (イラストタッチでイラスト大) シロを殺されたおじいさんとおばあさんは、なくなくシロを畑にうめてやると、棒(ぼう)を立ててお墓を作りました。 イラスト 17 (イラストタッチでイラスト大) 次の日、おじいさんとおばあさんがシロのお墓参りに畑へ行ってみると、シロのお墓の棒が一晩のうちに大木になっていたのです。 イラスト 19 (イラストタッチでイラスト大) おじいさんとおばあさんは、その木で臼(うす)を作って、おもちをつきました。 すると不思議な事に、もちの中から宝物がたくさん出てきました。 それを聞いた、欲張りじいさんは、 「わしも、もちをついて宝を手に入れる。おめえの臼を、わしに貸してくれや」 と、臼を無理矢理借りると、自分の家でもちをついてみました。 しかし出てくるのは石ころばかりで、宝物は出てきません。 怒った欲ばりじいさんは臼をオノでたたき割ると、焼いて灰にしてしまいました。 大切な臼を焼かれたおじいさんは、せめて灰だけでもと、臼を焼いた灰をザルに入れて持ち帰ろうとしました。 その時、灰が風に飛ばされて、枯れ木にフワリとかかりました。 灰のかかった枯れ木に、満開の花が咲いたのです。 「枯れ木に花を咲かせましょう。パアーッ」 と、言いながら次々に灰をまいて、枯れ木に美しい花を咲かせました。 「ほう、これは見事じゃ」 お殿さまはたいそう喜んで、おじいさんにたくさんのほうびをあげました。 それを見ていた欲張りじいさんが、 「おい、わしも花を咲かせてほうびをもらう。その灰を、わしによこせ!」 「殿さま、この灰はわしの物です。わしが枯れ木に花を咲かせますから、わしにもほうびを下さい。バァーッ!」 欲張りじいさんは殿さまの前でたくさん花を咲かせようと、灰をいっせいにまきました。 イラスト 38 (イラストタッチでイラスト大) すると灰がお殿さまの目に入って、欲張りじいさんはお殿さまの家来にさんざん殴られたということです。 おしまい |
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