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3月27日の日本の昔話
金のナスビ
金茄仔
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある国の殿さまには、とても美しいおきさきがいました。
頭擺頭擺,有一隻國家國主討一個當靚个餔娘。
おきさきはみごもっていましたが、殿さまはまだ知りません。
餔娘有身項了,國主完全毋知。
ある日の事、おきさきは殿さまのごはんを運ぶ途中、「プッ」と、小さなおならをしてしまいました。
有一日,國主夫入在送飯分國主个路上,「bud5」聲打一个細細聲个屁。
すると殿さまは怒って、
國主當閼,
「無礼者!お前の様な者は、島流しじゃ!」
「無禮貌个人!像你這種人愛流放去外島!」
と、おきさきを遠くの島へ島流しにしたのです。
就摎夫人流放著當遠當遠个外島。
島流しにされたおきさきは、その島で男の子を産んで育てて、いつしか十年あまりがたちました。
過後,流放外島个夫人在島上降一個倈仔,毋多知過了十年。
ある日の事、おきさきは子どもから、と、尋ねられて、
有一日,倈仔問厥姆,
「どうして家には、おとうがおらんの?」
「仰會屋下無阿爸呢?」
島流しにされた理由をありのままに話しました。
厥姆就摎流放外島个原因一五一十同佢講。
「そうか。おらのおとうが殿さまだなんて知らなかった。・・・よし、おら、殿さまに会って来る」
「係無?𠊎爸係國主大人仰會毋知?...好!𠊎愛來去會佢。」
男の子は一人で舟をこいで海を渡ると、お城の近くでナスビのなえを売り歩きました。
倈仔一儕人撑船仔渡海,在城个郊區賣茄仔秧。
「えー、金のナスビのなるなえは、いらんかなあ。金のナスビのなえ」
「噯!來買會打金茄仔个茄秧,敢會無人愛?金茄仔个秧!」
その声を聞いて、殿さまはさっそく男の子をお城に呼びました。
國主知著煞煞就喊細倈仔去城肚,
「金のナスビがなるとは、実にめずらしい。全部買ってもよいが、そのなえは、誰にでも育てられるのかな?」
「會打金茄仔實在難尋,全部買起來乜做得,毋過該種秧麽人都種得生麼?」
殿さまが尋ねると、男の子が答えました。
國主問个時節,細倈仔應講:
「誰にでも、というわけではありません。でも、生まれて一度もおならをしたことのない人が育てれば、それは見事な金のナスビが出来ます」
「毋係逐儕種了生,若係該一生人毋識打過屁个人種,毋會打恁寶貴个金茄仔。」
男の子の返事に、殿さまは怒り出しました。
國主聽到細倈仔个回答當閼。
「馬鹿者!この世のどこに、一度もへをしない者がおるか。いいかげんな物を売り歩くと、ただではおかんぞ!」
「大牯!世上那有毋識打屁个人?若係去街路話玲琅絕對毋饒你哦!」
「おや?では殿さまにうかがいますが、この国ではおならをしても、罪にはならないのですか?」
「唉呀?請問國主在這个國家打屁有罪無?」
「あたりまえじゃ!そんな事をいちいち罪にしていたのでは、国がなりたってゆかん」
「當然無!這種事一一定罪,該像麽个國家。」
「そうですか。けれど、わたしの母はむかし、小さなおならをひとつしただけで島流しにされました。それを、お忘れでしょうか?」
「恁樣形嘎?毋過吾姆頭過因為打一个細細个屁就分人流放外島,你毋記得了係無?」
「なっ、何じゃと・・・」
「麽,你講麽个...」
殿さまはハッとして、男の子を見つめました。
國主ha24聲,緊捉細倈仔看。
よく見ると、目も口元も、自分にそっくりです。
看真兜,目珠、嘴摎自家共樣共樣。
「すると、お前は、もしや・・・」
「該你敢係...」
くわしいわけを聞くと、殿さまは男の子が自分の子どもだとわかりました。
再過詳細問,正知佢係國主自家个倈仔。
「今まで、つらい思いをさせてすまなかった。すぐに、妻を島へ迎えに行こう」
「以前,恁對你毋起,害你過著恁艱苦,煞煞來去外島接餔娘轉來。」
その後、お母さんと男の子は、お城で幸せに暮らしたのでした。
過後,哀仔摎倈仔在城肚過幸福快樂个日仔。
おしまい
煞咧
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