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9月2日の日本の昔話
歯をボロボロにされた鬼
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投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
【大人もぐっすり眠れる睡眠朗読】心が軽くなる日本昔話 とんちの特集 元NHKフリーアナ お話読み聞かせ
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投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」
【眠くなる優しい声で読み聞かせ】日本昔話集:楽しいとんちの話
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制作 : 妖精が導くおやすみ朗読チャンネル
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制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
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投稿者 癒しのココロちゃんねる 【睡眠用朗読】
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投稿者 「あーる」 【眠れる朗読】
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制作 : 妖精が導くおやすみ朗読チャンネル
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投稿者 「癒しの森っ子」
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投稿者 「きべだよ。」
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投稿者 「眠りのねこカフェ」
むかしむかし、ある山奥に、一匹の鬼が住んでいました。
鬼は毎日のようにふもとの村にやってきて、畑を荒らし回り、家にある食べ物を手当たりしだいに食べるのです。
「そのうちに、わしらも殺されてしまうかもしれない」
「なんとかしないと、村は全滅だ」
村の人たちはすっかり困ってしまい、畑仕事も手につきません。
そこで寺の和尚(おしょう)さんに相談して、鬼が来ると寺へ連れて行き、酒を飲ませてごちそうを食べさせることにしたのです。
おかげで畑は荒らされなくなりましたが、今度はごちそう作りが大変です。
村人たちが交代でごちそうを作り、酒を用意しなくていけないのです。
鬼は毎日寺へやってきて、大酒を飲み、腹いっぱいごちそうを食べたあと、本堂で大の字に寝て、ものすごいいびきをかきます。
それを見ていると、なさけないやらくやしいやら、いっそひと思いに殺してやろうとしましたが、
「まて、まて。いくら鬼とて、命あるものを殺すわけにはいかない。わしにまかせておけ」
と、和尚さんが言うので、村人たちは何とかがまんしていました。
ある日の事、和尚さんが、
「今日は鬼に出すごちそうに、白い石を四角に切った物と、竹の根を輪切りにした物を用意するように」
と、言いました。
鬼はいつものように地ひびきをたてながら、寺にやってきました。
「さあ、どうぞどうぞ」
和尚さんは鬼を本堂に案内すると、大きなおぜんの前に座らせて、
「今日は酒のさかなに、とうふと竹の子を用意しました」
と、言って、白い四角の石と竹の根を輪切りにした物を出しました。
それから自分のおぜんの上には、本物のとうふと竹の子の煮物を置いたのです。
「ほう、これはうまそうだ」
鬼はいつものように酒を飲み、とうふと言われた白い石をほおばりました。
ガシン!
ところが、その石の固い事。
必死になってかみくだいたら、鬼の歯がボロボロになってしまいました。
「なんて、固いとうふじゃ。・・・うん?」
ふと和尚さんの方を見てみると、さもおいしそうにとうふを食べています。
和尚さんは続いて、竹の子の煮物を口に入れると、これまたおいしそうに食べました。
鬼も同じように竹の根の輪切りを口に入れましたが、固くて固くてやっぱり歯がたちません。
それでも人間に負けてなるものかと思い切ってかみくだいたので、残っている歯もボロボロになってしまいました。
さすがの鬼もビックリして、和尚さんに言いました。
「こんな固い物を、よく平気で食べられるもんだ」
すると和尚さんは、にっこり笑って言いました。
「なあに、人間の歯は鉄より固く、何だってかみくだく事が出来る。なんなら、お前さんの腕にかみついてみようか?」
「と、とんでもない!」
鬼は、あわてて手をふりました。
「そればかりじゃない。地面だってひっくり返す事が出来るぞ。あれを見てみろ」
和尚さんが、麦畑(むぎばたけ)の方を指さしました。
見ると昨日まで黄色く実っていた麦は一本もなく、畑はすっかりたがやされて黒々とした土になっていました。
(なるほど、人間というのは恐ろしい力を持っているものだ。そうとは知らずに畑を荒らしたり、ごちそうを食べていたりしていたが、もしかするとわしを安心させて捕まえるためかもしれないぞ)
そう思うと鬼は急に怖くなり、そのまま山奥に逃げ込むと二度と姿を見せることはなかったという事です。
おしまい
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