ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物语) >一月 
        
      ひょうたんの大入道 
        瓢里的妖怪 
           
          (日本昔話) 
          (日本民间故事) 
           
          翻訳者 信陽師範学院  劉平 
      
      
 
         
        にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文 
       むかしむかし、ある浜辺に、一人の漁師が住んでいました。 
         从前在海边附近住着一个渔夫。 
         
         漁師はいつもの様に浜辺で魚を釣っていましたが、どうしたわけか今日は一匹も釣れません。 
         虽然渔夫总是在海边钓鱼,但是不知道为什么总是一条鱼也钓不到。 
         
        「仕方ない、今日はあきらめて帰るか」 
        “没办法,今天还是回去吧”。 
         
         漁師がさおを引き上げようとした、その時です。 
         渔夫刚要把鱼竿收起来,就在那时 
         
         
        ぐぐっ! 
        “咕咕、、、”。 
         
        と、さおに確かな手応えがありました。 
         通过鱼竿有钓到鱼的感觉。 
         
        「よしよし、何かが釣れたぞ」 
        “太好了,钓到了什么”。 
         
         漁師が喜んで引き上げると、それは魚ではなく、ひょうたんの入れ物でした。 
         渔夫高兴地提起鱼竿,那不是鱼是瓢里的东西。 
         
        「何だ、ひょうたんか。しかし水に浮くはずのひょうたんが、なぜ水に沈んでいたんだ? 
        “什么?是瓢吗?但是瓢应该浮在水面上,为什么会沉到水里呢? 
         
         ・	・・中に、何か入っているのか?」 
         、、、里面放了什么东西吗?” 
         
         そう言って、ひょうたんのせんを取ったとたん、もくもくもくと中から煙の様なものが立ち登りました。 
         这样说着,正当渔夫取出瓢上的线时,滚滚的像烟一样的东西。 
         
         そしてその煙の様なものはみるみる大きくなり、やがて大入道の姿になったのです。 
         然后,那像烟一样的东西眼看着变大,不一会变成了秃头妖怪的样子。妖怪说: 
         
        「でっ、でたー!」 
        “变、变成了。” 
         
         漁師がびっくりしていると、大入道が言いました。 
         渔夫正大吃一惊的时候,秃头妖怪那样说着。 
         
        「わあはははは。よくぞ、わしのひょうたんを釣りあげてくれたな。 
        “啊、哈哈哈、、、太好了,把我的瓢钓出来了。 
         
         わしは何百年もこの海の中にいて、死ぬほどたいくつしておった。 
         我在海里几百年了,无聊的想死,  
         
         まずは釣り上げてくれた礼に、お前を一口で食べてやろう」 
         现在你把我钓出来了,作为答谢,让我咬你一口吧,怎么样?” 
         
         大入道は大口を開けると、漁師をつまみあげようとしました。 
         秃头妖怪张开大口,把渔夫抓了起来。 
         
        「ま、待ってくれ!」 
        “请等一下”  
         
         漁師が、大入道に叫びました。 
         渔夫对秃头妖怪叫道。 
         
        「なんじゃ? 今さら逃げようたって、そうはいかんぞ」 
        “为什么?现在才要逃走吗?” 
         
        「いや、逃げたりはせん。 
        “不,我不逃走。 
         
         わしも、男じゃ。いさぎよく、お前に食われてやろう。 
         我也是一个男人,好吧,我可以被你吃掉, 
         
         だが、食われる前に一つだけ頼みがある」 
         但是,在你吃我之前我有一个请求。” 
         
        「うん? なんじゃ、言うてみろ」  
        “嗯?什么?说吧。” 
         
         漁師は、いかにも不思議そうに言いました。 
         渔夫说了不可思议的话。 
         
        「それは、お前みたいにでっかいのが、どうやってこんな小さなひょうたんに入っておったんじゃ? 
        “我想再看一次你是怎么进入到那么小的瓢里的, 
         
         悪いが、もう一度見せてくれ」 
         给你添麻烦,但我想再看一次。” 
         
        「なんだ、そんな事か。よし、今、見せてやるぞ」 
        “什么?这个、、、好吧,现在就让你看。” 
         
         言ったかと思うと、大入道はみるみる小さくなって、ひょうたんの中へ入ってしまいました。 
         眨眼间,眼看着秃头妖怪变小,进入到瓢里了。 
         
        (よし、今だ!) 
        (现在好了!) 
         
         漁師は素早くひょうたんの口にせんをして、力いっぱい海の中へ投げ込みました。 
         渔夫迅速地拉着瓢上的线,用力扔到了海里。 
        
        「だっ、だましたな~!」 
        “啊?被骗了。” 
         
         ひょうたんに閉じ込められた大入道は、また海の底へと沈んでしまいました。 
         妖怪说:秃头妖怪被关在瓢里,而且沉到了海底。 
         
        「やれ、助かった」 
        “哎呀,得救了” 
         
         漁師はほっとして家に帰り、この浜では二度と魚釣りをしなかったそうです。 
       渔夫说。然后渔夫轻松地回家了,再也不在这个海边钓鱼了。 
              おしまい 
      完结 
         
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