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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >四月
4月1日の百物語
壁の中から
墙里的声音
怪奇現象???
翻訳者 広東省恵州学院 陳燕芬
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、あるところに、仲の良いおじいさんとおばあさんがいました。
很久很久以前,有一个地方,住着一对感情很好的老夫妇。
二人は、ある晩、
一个晚上,
「なあ、ばあさんや。
どちらかが先に死んだら、お墓には入れないで家の壁に塗り込めよう。
そうすれば、いつまでも一緒にいられる」
「そうですね。そして死んだ者が壁の中から呼んだら、必ず返事をする事にしましょう」
と、約束しました。
两人做下了这样一个约定,
“喂,老太婆。如果有一天谁先走了,不要把遗体安放在坟墓里,把它涂抹在墙上吧。这样的话我们就能永远在一起了。”
“是啊。还有啊,如果死去的那个人在墙里面呼唤,一定要回答哦。”
ところが間もなく、おばあさんがポックリあの世へ行ってしまったので、おじいさんは約束通り、おばあさんの亡きがらを壁に塗り込めたのです。
然而,不久后,老奶奶突然去世了,去往另一个世界,老爷爷按照约定,把老奶奶的遗体涂抹在墙上。
すると、その日から毎日、壁の中のおばあさんが聞いてきます。
于是,从那天开始,每天都能听到墙壁中的老奶奶在说话。
「おじいさん、いるかい?」
“老头子,你在吗?”
「ああ、ここにいるよ」
“啊!我在这儿呢。”
「何をしているんだい?」
“你在做什么?”
「わら仕事だよ」
“在捆稻草呢。”
またしばらくすると、おばあさんが聞きます。
过了一会,老奶奶又问道,
「おじいさん、いるかい? 何をしているんだい?」
“老头子,你在吗?在干什么呢?”
一日に何度も聞かれるので、おじいさんはだんだん面倒くさくなってきました。
一天下来被问了好几遍,老爷爷渐渐变得不耐烦起来了,
「誰か、わしに代わって返事をしてくれる者はおらんかなあ?」
“有谁能够替我回答啊?”
おじいさんがため息をついていると、うまい具合に旅の男がやって来ました。
就在老爷爷唉声叹气时,刚好有名男旅客上门了。
「すみません。旅の者です。よければ一晩、泊めていただけませんか?」
“对不起,打扰了,我是一名旅行者。如果可以的话,能否收留我一个晚上?”
それを聞いたおじいさんは、大喜びで言いました。
老爷爷听了之后,很高兴地回答道:
「どうぞ、どうぞ。
遠慮なく、泊まっていってくれ。
“当然可以,请进来,不用客气,尽管住。
その代わり壁の中から、『おじいさん、いるかい?』と、声がしたら、『ああ、ここにいるよ』と、答えてくれんか。
『何をしているんだい?』と、聞かれたら、適当に答えてくれりゃあいい」
不过作为交换,如果墙壁中传来这样的声音:‘老头子,你在吗?’‘在,我在
这儿呢。’你要替我这样回答,可以吗?‘你在做什么?’如果被这样问到,你就随便回答支吾过去,可以吗?”
「はい。そんな事なら、おやすいご用ですよ」
“好的,只是那样的话,真是太容易了。”
旅の男が引き受けてくれたので、おじいさんはやれやれと、お酒を飲みに出かけました。
因为男旅客接受了,老爷爷很高兴地出去喝酒去了。
留守を頼まれた男は、壁の中のおばあさんの声に、いちいち答えていましたが、何度となく聞かれるので、やがて面倒になってつい、
「うるせえなあ。おじいさんは、酒を飲みに出かけたよ」
と、本当の事を言ってしまったのです。
被拜托留在家里的男旅客听到墙壁中传来老奶奶的声音后,一一回答了她的话,
但是因为被问了好几次,不久也变得不耐烦了。最后,男旅客忍不住说出了真相。“真吵啊!老爷爷出去喝酒去了。”这样,男旅客把真相说了出来。
すると突然、
接着,突然
ガバッ!
と、壁が破れて、半分がガイコツの、ものすごい顔のおばあさんの幽霊が飛び出してきました。
“咔!”的一声,墙壁裂开了,只有一半的骸骨,和一张非常可怕的脸的老奶奶的鬼魂从里面飞了出来。
「おじいさんは、どこだーー! お前は誰だーー!」
“老头子在哪里?你是谁?”
「うひゃあー! でっ、出たーー!」
“啊啊啊!鬼,鬼出去了。”
男は驚いたのなんの、命からがら逃げて行きました。
男人非常惊恐,拼了命地逃了出去。
おしまい
结束
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