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福娘童話集 > 百物語 > 十月
10月25日の百物語
(10月25日的日本鬼故事)
大ムカデ退治
蜈蚣精
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「つれづれ居士」 つれづれ居士
むかしむかし、近江の国(おうみのくに→滋賀県)に、俵藤太(たわらとうた)という弓の名人がいました。
到好久以前、進江國(現滋賀県)有條喊俵藤太的用弓好手。
ある日、藤太(とうた)が琵琶湖(びわこ)にかかっている橋を渡っていると、人間の五倍もある大蛇(だいじゃ)が橋のまん中に横たわっていました。
琵琶湖這上面就搭條橋、藤太就從上面過路、一條有五條人那麼大的蟒蛇就橫到橋中間的。
大蛇は二つの赤い目をランランと光らせて、口から炎を吐き出しています。
大蛇眼裡面放到光、口裡面燃到火。
普通の人なら逃げ出すところですが、さすがは弓の名人。
要是普通人看到這條早就跑了、但是藤太本事大。
「こんなところに寝そべるとは、邪魔な奴だ」
港這大蛇躺到這裡也是討嫌。
藤太はそう言いながら、大蛇の背中をゆうゆうと乗り越えて行ったのです。
藤太這就從蛇背上走過去了。
すると後ろから、声がかかりました。
這時候聲音就從後面傳過來了
「もし、もし」
喂喂
(さては大蛇め、背中を踏まれて腹を立てたか)
莫是剛剛的蛇著我從背上一路走過去發火了啊
藤太が振り返ると、そこには大蛇の姿はなく、美しい女の人が立っていました。
藤太腦殼一轉、看到的不是一條蛇、而是一條長的好乖的女的。
「何か用か?」
有甚麼事吧?
「はい。あなたさまに、ぜひお願いしたい事がございます」
看樣子女的確實是有、這就幫原委透出了。
美しい女の人は、ていねいに頭を下げました。
乖女的就幫腦殼腦殼彀到好低。
「正直に、申し上げます。
先港句套話
わたくしの正体は、この橋の下に住む竜でございます。
這就港自己真身就是這橋下的竜神。
あなたさまがとても強い侍(さむらい)と聞いて、大蛇に化けて橋の上に寝ておりました。
我聽港你有本事、所以就變成了蛇睡到橋上面。
うわさ通りあなたさまは勇気のあるお方で、大蛇に化けたわたくしを見ても顔色一つ変えませんでした」
確實你是和別個港的一樣勇、看到那麼大條蛇一點都不面不改色。
「なるほど。それにしても、美しい女に化けたものだ」
所以你就再又變成一條女的了、也是誇別個變得乖。
「ありがとうございます。
女的這就接下讚美
それで、お願いしたい事でございますが、実は向こうに見えます三上山(みかみやま)に住む大ムカデが、時々この湖に来て、わたくしどもの仲間をさらっていくのです。
開始港正事了、就港對面有條三上山、裡面住條大蜈蚣、蜈蚣時不時要來這湖裡面一哈、然後就要逮幾條竜走。
今までに、どれほど多くの仲間がさらわれた事か。
到現在為止已經有好多竜都著蜈蚣搞去了。
このままでは竜の一族は、ほろんでしまいます」
就湖裡面的竜都越來越少、就要㫘得了。
「うむ。しかし相手は、たかがムカデであろう。竜ならムカデなど」
藤太就港別個就一條蜈蚣、你竜還打不贏蜈蚣啊
「いいえ。
ムカデと言っても、相手は三上山を七巻き半も巻くという大ムカデでございます。
女的就港
別個雖然只是條蜈蚣
但是他大、一條蜈蚣就可以幫三上山卷到包起來
然後圍個七圈半
とてもわたくしどもが、勝てる相手ではありません。
所以實在是無能為力。
お願いです。
どうか大ムカデを、退治してください」
女的這就託藤太幫這條蜈蚣弄了去。
女の人に化けた竜は、手を合わせて頼みました。
ここまで頼まれれば、藤太も断る事が出来ません。
這事攤到藤太身上、既然都開口了、藤太也是不好回絕。
「よろしい。大ムカデ退治を引き受けた」
這也就答應了
「ありがとうございます。では、こちらへ」
女的這就先感謝了一哈、準備要幫藤太往甚麼地方領了。
女の人は藤太の前に立って、琵琶湖の中に入って行きました。
女的站藤太前面、進了琵琶湖。
すると不思議な事に、女の人が進んで行く部分だけ水が引いていきます。
這水見竜則避、湖裡面就開出一條水路。
藤太も女の人に続いて、琵琶湖に出来た道をどんどん進んで行きました。
藤太就跟到女的後面、沿到這琵琶湖的通路前行。
しばらく行くと、金銀をちりばめた御殿(ごてん)が現れました。
一哈、這就到竜宮城了。
(ほう。これがうわさに聞く、竜宮城というものか)
藤太也是聽港傳聞、曉得這就是竜宮城。
藤太がうっとりながめていると、竜宮城から竜王(りゅうおう)が家来を連れて藤太を出迎えてくれました。
藤太這就到處望啊、竜王自己帶到蝦兵蟹將都過出來迎了。
「さあ、どうぞこちらへ」
這就又幫藤太往甚麼地方引
藤太の案内された部屋は、水晶をしきつめた大広間です。
藤太這就又到了水晶宮。
おぜんには山の様なごちそうが並べられ、金のかめには上等の酒がなみなみと入っています。
金壺瓊釀、美食佳餚、這都是擺滿了。
やがて美しい女たちが現れて、笛や鐘(かね→小形の叩いて鳴らす楽器)の音にあわせて踊りはじめました。
這又出來一潽舞女、奏樂、一個個都長的好乖、到吹拉彈奏跳。
(なんと、素晴らしい)
藤太是舒服了個卵卯翻天。
藤太はまるで、夢の中にいる様な気分です。
就跟做夢樣的
すると突然、大広間が暗くなりました。
但這一哈突然一黑、就跟停電樣了
「藤太さま、大ムカデがやってきました」
噶卵(稀爛)、是大蜈蚣來了。
藤太を竜宮城へ案内した女の人が震える声で言うと、我に返った藤太は弓と矢を持って立ち上がりました。
幫藤太帶到龍宮城的這女的就到藤太邊上㥬、藤太也是一哈回神了、幫弓箭一取、人一站。
「よし、みんな隠れていろ」
喊其他人先躲到去
三上山の空がにわかに赤くなったかと思うと、何百もの火の玉がこっちへと向かって来ます。
這就看向三上山、天上紅紅的、有幾百點火束往這邊過來的。
その何百もの火の玉の中に二つだけ、一段と光り輝いている火の玉がありました。
這火點裡面有二點是格外的明亮。
「あれは、大ムカデの目に違いない」
那條肯定就是大蜈蚣的眼睛
藤太は弓に矢をつがえると、その二つの火の玉のまん中を目掛けて矢を放ちました。
藤太幫弓一搭、瞄到那二個點點的、放。
ヒューーン、ガチン!
箭嘯
矢が岩に当たった様な音を立てて、はね返りました。
聽箭頭的抨擊聲像是戳到嵒頭樣的、彈飛了。
藤太は素早く二本目の矢を放ち、さっきと全く同じところに命中させました。
藤太第二輪再上、射到的位置是和第一箭一模一樣。
ヒューーン、ガチン!
箭聲
しかし二本目の矢も、はね返されてしまいました。
第二劍又是㫘能穿破、彈開了。
矢はもう、あと一本しか残っていません。
這剛好箭還就只有三根。
火の玉はどんどん近づき、やがて大ムカデの姿も見えてきました。
藤太就等大蜈蚣走近點、這就越來越近、連大蜈蚣的樣子都可以看到了。
二本の矢が命中したところには、傷一つありません。
前面兩箭全打到了、但是一點傷都是㫘看到。
「これは弱った、どうしたものか」
這是要怎麼搞哦、莫不是稀爛啊。
さすがの藤太も、少しあわてました。
藤太也開始又點慌了
「どうしたらいいのだ? なにか弱点でもあれば良いのだが・・・」
這就想這蜈蚣王莫不是有甚麼命門到啊。
竜王は、藤太の横でおろおろするばかりです。
龍王這時候就到藤太邊上轉啊轉、急了個卵卯翻天。
「弱点。・・・うむ。そうだ、忘れていた」
對頭、幫這條忘記了
藤太は三本目の矢の先を口に入れると、たっぷりと魔よけのつばをつけました。
藤太這就幫第三根箭的箭頭往自己嘴巴裡面一塞、一敷、用舌頭上面的口水幫箭頭刷一圈。
魔物というものは、人間のつばが大嫌いなのです。
都港口水辟邪
その矢を弓につがえると、藤太は力一杯引きしぼり、
這就用這根箭試哈子。
「これでもくらえ!」
爬!
と、放ちました。
箭這就飆出去了
矢はうなりをあげて飛んで行き、大ムカデの額(ひたい)へと突き刺さりました。
箭破風呼嘯、貫了大蜈蚣眉間。
「ウギャーーー!」
好傢伙!
大ムカデは地響きの様な叫び声をあげると、それと同時に何百という火の玉が一瞬に消えて、ものすごい水しぶきがあがります。
蜈蚣王這嚎的是地動山搖、天上的那潽紅色的星火劇暗、巨體一垮、濺起無邊水花。
見ると額に矢を射られて死んだ大ムカデの体が、水面にゆらゆらとゆれていました。
這就看到那條蜈蚣王水面上浮到的、額頭前面也是被箭過穿了孔、死那裡的。
「ありがとうございました。これで皆、安心して暮らせます」
看到蜈蚣往著弄了、竜王是好感謝
竜王は何度も頭を下げて、藤太にお礼を言いました。
是三番五次的對到藤太港謝。
それから竜王は家来に命じて米を一俵と絹を一反(いったん→幅二十七センチ、長さ九メートルの布)、そして釣り鐘を一つを運んで来させて言いました。
這又命小魚小蝦、搬過來一簍子米、一塊布、一口鐘。
「これはお礼のしるしです。どうかお持ちください」
喊藤太一定要幫這三樣取走。
藤太は喜んで贈り物を受け取ると、竜王の家来たちに運ばせながら家へ持って帰りました。
藤太也是收了謝禮、別個還幫他打包送回了屋。
さて、不思議な事に竜王にもらった米俵の米はいくら使っても減る事がなく、絹の反物(たんもの)も切れば切るほど増えていきました。
然後那一簍子米是怎麼舀都不得乾、布是怎麼裁都用不完。
おかげで藤太は、何不自由なく暮らす事が出来ました。
藤太這也就起來了。
そして釣り鐘は近くの三井寺に奉納(ほうのう→寺や神社にものを納める事)され、その美しい鐘の音は琵琶湖を渡り近江の国のすみずみまで鳴り響いたと言われています。
至於鐘就捐起附近的廟裡面了、三井寺裡面這條鐘聲就響徹到琵琶湖邊上的、一直傳到進江國的各個角落。
おしまい
结束
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