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3月22日のイソップ童話
オオカミとヒツジ飼い
一ぴきのオオカミが、ヒツジの群れの後を、おとなしく、なんにも害をくわえずに、ついていきました。
ヒツジ飼い(→詳細)は、はじめはオオカミを敵だと思って、びくびくしながら見はっていました。
けれども、オオカミがずっとおとなしくついてくるだけで、ヒツジにおそいかかる気配がちっともないので、ヒツジ飼いは、
「どうやら、このオオカミは敵ではなぐて、ヒツジの味方らしい」
と、思いました。
ちょうど、ヒツジ飼いは町にいく用事があったので、ヒツジたちをオオカミのそばにのこして町へ出かけました。
オオカミは、「しめた。いまこそチャンスだ」
と、ヒツジにおそいかかり、だいぶぶんのヒツジを食い殺してしまいました。
町からもどってきて、殺されたヒツジたちを見たヒツジ飼いはさけびました。
「おれがバカだった。オオカミにヒツジをあずけるなんて、どうかしているよ」
人間でも同じことです。欲ばりの人にだいじなものをあずければ、とられてしまうのがあたりまえです。
おしまい