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6年生のイソップ童話
旅人とオノ
2人の男が、いっしょに旅をしていました。
そのうち、1人が道に落ちているオノを拾いました。
それをみて、もう1人が、
「ぼくたちは、オノを拾った」
と、いいました。
拾った男は、
「ぼくたちは拾ったではなくて、きみは拾ったと、いえよ」
しばらくすると、そのオノを落とした男が、2人を追いかけてきました。
その男は盗賊(とうぞく)で、ぬすんだオノを落としてしまったのです。
「ああ、もうだめだ。ぼくたちがオノをよこどりしたと思っている。ぼくたちは、もう助からない」
オノを拾った男がなげくと、連れの男がいいました。
「ぼくたちは助からないじゃなくて、ぼくは助からないといえよ。だって、さっきオノを拾ったときに、きみはぼくをなかまに入れなかったのだから」
よいことがあったときに、友だちをのけ者にする人は、不幸な目にあったときに、その友だちに助けてもらえるはずがないと、いうことを、この話はおしえています。
おしまい
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