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12月28日のイソップ童話
オオカミとロバ
オオカミたちのかしらにえらばれたオオカミが、法律をさだめました。
それは、「これからは、めいめいがとったえものは、ぜんぶいっしょにして、みんなに平等にわけることにする。これは、腹のへったオオカミどうしが、とも食いするようなことを、なくすためである」という法律でした。
ところが、これを聞いたロバ(→詳細)が、たてがみをふりふりすすみ出て、
「なるほど、りっぱな考えです。あなたが心のやさしいオオカミだからこそ、そんなよい考えがうかんだのでしょう。ただ、そのあなたが、きのうとったえものを、自分の穴ぐらにしまいこんでいるのは、どうしたわけですか。あれをはやくここへ持ってきて、みんなにわけてあげなさいよ」
やりこめられたオオカミは、法律を廃止してしまいました。
正義にもとづいて法律をさだめるような顔をしながら、自分はちっともその法律をまもらない人が、たくさんいます。
おしまい