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6年生の江戸小話(えどこばなし)
ほらふき
話の大げさな男が言いました。
「この前、山へ行ったら大きなイノシシが出てな、それがこっちに走ってくるんだ。
そこでおいらはあわてて、駆けてきたイノシシの角(つの)をがっちりと掴んだんだ。
角を掴むのがもう少し遅かったら、大変な事になっていたよ」
するとそれを聞いた友だちが、あきれ顔で言いました。
「バカな事を言うなよ。イノシシに角なんか、あるわけないだろうが」
「えっ? ああ、そうだった。実は角じゃなくて、羽を掴んだんだ」
「またまた、バカな事を言う。イノシシに羽なんか、どこにある」
「むむむ。それなら、どこを掴もうか?」
おしまい
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