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6年生の江戸小話(えどこばなし)

あせ
外出先から帰って来ただんなが、
「あつい! あつい! あつい! 今日のあつさはとくべつじゃ。信吉(しんきち)、すまんがうしろにまわって、そこの大うちわであおいでおくれ」
と、こぞうにいいつけました。
信吉(しんきち)は、
「はーい」
と、返事をすると、だんなのうしろにまわって、うちわの柄(え)が、折れるくらいに力を入れて、サッサ、サッサと風をおくってやりました。
しばらくたって、だんなが、
「もういい、もういい、さっぱりした。おまえのおかげで、あせはどこかへふっ飛んでいったぞ」
と、気持ちよさそうにいいますと、うしろの信吉(しんきち)は、あせをふきふき、
「はい。おかげで、あせは全部わたくしの方にまいりました」
おしまい 
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