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1月22日の日本民話
キツネのお礼
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むかしむかし、あるお寺の裏山に、何匹かのキツネがすんでいて、お寺から食べ物の残りをもらっていました。
ある日の朝、一匹のキツネがお寺で飼っているニワトリをくわえて逃げるところを、庭のそうじをしていた小僧(こぞう)さんが見つけました。
「こらっ、なにをするんだ!」
小僧さんがほうきをふりあげながら追いかけていくと、キツネはくわえていたニワトリを本堂(ほんどう)の前に置いて、逃げていきました。
そこへ、和尚(おしょう)さんがやってきました。
和尚さんは話をきくと、キツネが逃げていった裏山にむかって、大声でキツネをしかりつけました。
「おい、キツネども。よくわたしのいうことをきいておけ。お前たちは毎日のように寺から食べ物をもらっているからには、寺で飼っておるイヌやニワトリとは、寺のもの同士ではないか。仲間(なかま)をとって食おうとするとは、どういうつもりじゃ。こういうことをするなら、もうこの山にはおかぬ。近いうちに山狩りをして、お前たちを一匹残らず追いはらうから、そのつもりでおれ!」
和尚さんはそういってから、本堂に入ってお経(きょう)を読みはじめました。
それから、二日後のことです。
小僧さんが墓地(ぼち)で、一匹のキツネが死んでいるのをみつけました。
よく見てみると、ニワトリをとろうとしたあのキツネでした。
寿命(じゅみょう)がつきたのか、やすらかな顔をしていました。
それを聞いた和尚さんは、そのキツネを手あつくほうむってやりました。
すると、その夜のことです。
何匹ものキツネたちが、和尚さんの部屋の前にきちんと横にならんですわると、これまで耳にしたことのない声をあげて、一匹ずつさっていきました。
それは、わるいことをした仲間でも手あつくほうむってくれた和尚さんのやさしさに、お礼をいったのではないかという事です。
おしまい