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2年生の世界昔話(せかいむかしばなし)
アラジンのランプ
千夜一夜物語(せんやいちやものがたり) → アラビアンナイトのせつめい
♪音声配信(html5) |
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音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |
むかしむかし、アラジンという若者(わかもの)がいました。
あるとき、アラジンのところに、あやしい男がやってきていいました。
「ついてこい。いい所(ところ)ヘ連(つ)れていってやる」
男は、悪(わる)い魔法使(まほうつか)いです。
町から遠(とお)く離(はな)れた所(ところ)までくると、男は呪文(じゅもん)をとなえました。
とたんに、地面(じめん)に大きな穴(あな)があいたのです。
「穴(あな)の奥(おく)にある、古(ふる)いランプを持(も)ってくるのだ」
魔法使(まほうつか)いはアラジンの指(ゆび)に、大きな指輪(ゆびわ)をはめました。
「こわがることはない。これはお守(まも)りだ」
アラジンが穴(あな)の中へおりていくと、美(うつく)しい庭(にわ)があり、木には色(いろ)とりどりの実(み)がなっています。
赤い木の実(このみ)や、青い木の実(このみ)や、白い木の実(このみ)。
よく見ると、それらは全部(ぜんぶ)、宝石(ほうせき)で、赤い木の実(このみ)はルビー、青い木の実(このみ)はサファイア、白い木の実(このみ)はダイヤモンドです。
魔法使(まほうつか)いにたのまれたランプは、かんたんに見つかりました。
アラジンがもどってくると、魔法使(まほうつか)いは、ソワソワしながら待(ま)っていました。
「よし、ランプをよこせ。早くしろ!」
こわくなったアラジンは、思(おも)わずあとずさりしました。
すると、怒(おこ)った魔法使(まほうつか)いは、出口をふさいでしまいました。
「しまった、どうしよう」
アラジンは、思(おも)わずお守(まも)りの指輪(ゆびわ)をこすりました。
そのとたん、指輪(ゆびわ)が太陽(たいよう)のようにかがやいて、中から大男が現(あらわ)れたのです。
「わたしは指輪(ゆびわ)の魔神(まじん)です。ご主人(しゅじん)さまが指輪(ゆびわ)をこすってくれたので、現(あらわ)れました。ご用(よう)はなんでしょうか?」
「ああ、家(いえ)に帰(かえ)りたいんだ」
「おやすいごようです」
そのとたん、アラジンは家(いえ)にもどっており、アラジンに気がついたお母(かあ)さんがいいました。
「おや、古(ふる)いランプなんか持(も)って、どうしたのだい?」
「あっ、これかい。ひろったんだよ。・・・うん? なにか、かいてあるな」
アラジンが服(ふく)のすそでランプをみがくと、ランプからもくもくとけむりが出てきて、目の前(まえ)に大男が現(あらわ)れました。
「わたしは、ランプの魔神(まじん)です。どんなご用(よう)でも、いたします」
「それなら、食べ物(たべもの)を持(も)ってきておくれ」
「はい、かしこまりました」
ランプの魔神(まじん)は、テーブルの上にごちそうを山盛(やまも)りにしてくれました。
そのおいしいことといったら、ありません。
たとえ王さまでも、これだけのごちそうは、食(た)べたことがないでしょう。
ある日、アラジンは町で、お姫(ひめ)さまを見かけました。
ひと目で、そのお姫(ひめ)さまを好(す)きになったアラジンは、そのお姫(ひめ)さまと結婚(けっこん)したいと思(おも)いました。
「お母(かあ)さん、これを持(も)ってお城(しろ)にいってよ」
アラジンは、穴(あな)の奥(おく)から持ち帰(もちかえ)った宝石(ほうせき)を出してきました。
アラジンのお母(かあ)さんが、持(も)ってきた宝石(ほうせき)を見て、王さまはおどろいていいました。
「これは、すばらしい。だが、このような宝石(ほうせき)を四十の皿(さら)に山盛(やまも)りにして持(も)ってこれるかな? それが出来(でき)れば、姫(ひめ)をやろう」
お母(かあ)さんからそれを聞(き)いたアラジンは、ランプの魔神(まじん)をよび出しました。
「宝石(ほうせき)を山盛(やまも)りにした、四十の皿(さら)を出してくれ」
「かしこまりました。ご主人(しゅじん)さま」
やがて、宝石(ほうせき)を山盛(やまも)りにした四十のお皿(さら)の行列(ぎょうれつ)が、ご殿(てん)にやってきました。
それが王さまのお気にめして、アラジンはお姫(ひめ)さまと結婚(けっこん)することができました。
アラジンは親切(しんせつ)でしたから、国(くに)じゅうの人から好(す)かれました。
けれども、あの魔法使(まほうつか)いだけは、アラジンをにくんでいました。
魔法使(まほうつか)いは、ランプ売(う)りに化(ば)けて、アラジンのご殿(てん)にやってきました。
ちょうど、アラジンは留守(るす)でした。
「古(ふる)いランプと、新(あたら)しいランプを、取(と)りかえませんか?」
なにも知(し)らないお姫(ひめ)さまは、魔法(まほう)のランプを渡(わた)してしまいました。
魔法使(まほうつか)いは、さっそくランプの魔神(まじん)をよび出していいました。
「姫(ひめ)を、遠(とお)い国(くに)に運(はこ)んでいけ!」
つぎの日、王さまはご殿(てん)もろとも、お姫(ひめ)さまが消(き)えていたのでビックリ。
アラジンはバツとして、首(くび)を切(き)られることになりました。
「お願(ねが)いです。四十日ほど待(ま)ってください!」
アラジンは、お姫(ひめ)さまをさがして歩き回(あるきまわ)りました。
ある日、疲(つか)れはてて、手を洗(あら)っていると、指輪(ゆびわ)の魔神(まじん)が現(あらわ)れました。
手を洗(あら)うときに、知らず知らずに指輪(ゆびわ)をこすっていたのです。
「ご主人(しゅじん)さま、およびですか」
「おおそうだ! おまえのことを、すっかり忘(わす)れていた。すぐに姫(ひめ)のところへ、連(つ)れていっておくれ」
「おやすいごようです」
指輪(ゆびわ)の魔人(まじん)は、すぐにアラジンをお姫(ひめ)さまのもとへ連(つ)れて行(い)ってくれました。
アラジンが現(あらわ)れると、お姫(ひめ)さまがかけ寄(よ)ってきました。
「あなた。古(ふる)いランプは、魔法使(まほうつか)いのふところにありますわ」
「そうか。では、魔法使(まほうつか)いから取り返(とりかえ)そう」
アラジンは魔法使(まほうつか)いに、眠り薬(ねむりぐすり)を飲(の)ませてランプを取り返(とりかえ)すと、ランプをこすってランプの魔神(まじん)をよび出しました。
「眠(ねむ)っている間(あいだ)に、魔法使(まほうつか)いを世界(せかい)の果(は)てへ追い出(おいだ)して、ぼくたちとご殿(てん)をもとの所(ところ)に運(はこ)んでおくれ」
「かしこまりました。ご主人(しゅじん)さま」
ランプの魔神(まじん)に運(はこ)ばれたご殿(てん)は、たちまちもとの所(ところ)にもどりました。
こうしてアラジンは、お姫(ひめ)さまといっしょに、しあわせにくらしたのです。
そして世界(せかい)の果(は)てへ追い出(おいだ)された魔法使(まほうつか)いは、二度(にど)と戻(もど)ってくることはありませんでした。
おしまい
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