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2年生の世界昔話(せかいむかしばなし)

メンドリ小麦粒
イラスト myi   ブログ sorairoiro

メンドリ小麦粒(こむぎつぶ)
イギリスの昔話(むかしばなし) → イギリスのせつめい

♪音声配信(html5)
音声 まちゃりんの読んだり〜の♪

 むかしむかし、あるところに、一羽(1わ)のメンドリがいました。
「ごちそうだよ。みんなおいで」
 メンドリはいつも庭(にわ)をつっついて、エサをみつけては、ヒヨコたちに食(た)べさせていました。
 ある日メンドリは、小麦粒(こむぎつぶ)が落(お)ちているのをみつけました。

メンドリ小麦粒

「これをまくと、たくさん小麦(こむぎ)ができるのよ。ふやしてから、食(た)べましょう」
 メンドリは、大きな声(こえ)でいいました。
「小麦(こむぎ)のタネをまくの。だれか手伝(てつだ)ってちょうだい」

メンドリ小麦粒

  でも、池(いけ)で遊(あそ)んでいたアヒルは、
「ごめんよ、わたしはいそがしいんだから」
と、ことわりました。
 ブタは眠(ねむ)そうに、目を開(あ)けましたが、
「あー、あー、あー」
 あくびをしただけで、知らぬ顔(しらぬかお)です。
 ひなたぼっこのネコも、首(くび)をふって。
「いま、用(よう)があるのよ」
 だれも手伝(てつだ)ってくれないので、メンドリは一人で、小麦(こむぎ)のタネをまきました。

メンドリ小麦粒

  やがて、小麦(こむぎ)がたくさんみのりました。
 そこで、メンドリはみんなをよびました。
「小麦(こむぎ)をかり取(と)るの。だれか手伝(てつだ)ってちょうだい」

メンドリ小麦粒

 するとアヒルは、
「いま、泳(およ)ぎをならっているところ」
と、いいました。
 ブタは、
「ぼく、今(いま)はごちそうを食(た)べているので、いけないの」
 ネコは、
「わたし、毛皮(けがわ)をみがいているの。だめよ」
 しかたなくメンドリは、1人でせっせと小麦(こむぎ)をかり取(と)り、粉屋(こなや)さんに持(も)って行(い)きました。

メンドリ小麦粒

  まもなく、メンドリはまっ白になった粉(こな)の袋(ふくろ)をかついで、帰(かえ)ってきました。
 そして、大声(おおごえ)で言(い)いました。
「おいしいパンを焼(や)くのよ。だれか手伝(てつだ)ってちょうだい」

メンドリ小麦粒

  すると、アヒルは、
「そんなめんどうな事(こと)は、大きらい」
 ブタは、
「そんなしんどい事(ごと)は、大きらい」
 ネコは、
「そんなじゃまくさい事(こと)は、大きらい」
 だれも、手伝(てつだ)ってくれません。
 しかたなくメンドリは、1人でパンを焼(や)きました。

メンドリ小麦粒

  とっても、いい香(かお)りのパンが焼き上(やきあ)がりました。
「さあ、子どもたち。パンをたべましょう」
 メンドリとヒヨコたちがパンを食(た)べ始(はじ)めますと、みんなが集(あつ)まってきました。

メンドリ小麦粒

  アヒルが、
「おいしそうね。そのパンを、わたしにもくださいな」
 ブタが、
「うまそうだな。そのパンを、ぼくにもくださいな」
 ネコが、
「いい香(かお)りね。そのパンを、わたしにもくださいな」
 すると、メンドリがいいました。
「いいですよ。このパンを作(つく)るのを手伝(てつだ)ってくれた人から、順番(じゅんばん)にあげます。さあ、だれが最初(さいしょ)にてつだってくれましたか?」

メンドリ小麦粒

  それを聞(き)いて、アヒルもブタもネコも、恥(は)ずかしそうに、帰(かえ)って行(い)きました。

おしまい

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