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2年生の世界昔話(せかいむかしばなし)
ミツバチの女王
グリム童話(どうわ) →グリム童話(どうわ)のせつめい
むかしむかし、三人の王子が、旅(たび)に出ました。
途中(とちゅう)で塔(とう)のように高(たか)い、アリの巣(す)を見つけました。
三人のうち2人の兄(にい)さんは、その巣(す)をほじくり返(かえ)したいと言(い)いましたが、弟(おとうと)の王子は、
「動物(どうぶつ)は、そっとしておいておりましょう」
と、止(と)めました。
次(つぎ)に三人は、湖(みずうみ)に出ました。
水の上のカモを見て、2人の兄(にい)さんは、焼き鳥(やきとり)にしたいと言(い)いましたが、弟(おとうと)の王子は、
「動物(どうぶつ)は、そっとしておいてやりましょう」
と、止(と)めました。
やがて三人は、ミツバチの巣(す)を見つけました。
2人の兄(にい)さんはハチを焼(や)き殺(ころ)して、ハチミツを取(と)ろうと言(い)いましたが、弟(おとうと)の王子は今度(こんど)も止(と)めました。
そのうち三人は、りっぱなお城(しろ)につきました。
でも、お城(しろ)のウマ小屋(ごや)には石のウマがいるだけで、どこにも人の姿(すがた)はありません。
三人が入っていくと、ネズミ色(いろ)の小人にあいました。
小人が持(も)っていた、石版(せきばん)には
《次(つぎ)の三つの仕事(しごと)をやりとげると、この城(しろ)が魔法(まほう)からすくわれる》
と、書(か)いてありました。
一つ目の仕事(しごと)は、森のこけの下にかくされた千つぶの真珠(しんじゅ)を、夕方(ゆうがた)までに一つぶのこらず探し出(さがしだ)すことでした。
「よし、おれたちがやってやる」
2人の兄(にい)さんが真珠(しんじゅ)をさがしに行(い)きましたが、どちらも夕方(ゆうがた)までに数(かず)がそろわず、二人の兄(にい)さんは石にされてしまいました。
弟(おとうと)の王子が森に行(い)くと、前(まえ)に助(たす)けてやったアリたちが五千匹(5000びき)も来(き)てくれて、千粒(せんつぶ)の真珠(しんじゅ)をひろい集(あつ)めてくれました。
二つ目の仕事(しごと)は、王女の寝室(しんしつ)のカギを海(うみ)の中からひろってくることでした。
弟(おとうと)の王子が海辺(うみべ)へ行(い)くと、前(まえ)に助(たす)けてやったカモたちがやってきて、水の底(そこ)からカギを取(と)ってきてくれました。
三番目(3ばんめ)の仕事(しごと)は、眠(ねむ)っている三人の王女の中から、一番(いちばん)年下の王女をさがし出すことでした。
三人の王女は顔(かお)も姿(すがた)も全(まった)く同(おな)じで、違(ちが)うところは、寝(ね)る前(まえ)に食(た)べたものが、一番(いちばん)上はサトウの固(かた)まり、2番目(2ばんめ)はシロップ、三番目(3ばんめ)はハチミツがひとさじと言(い)うことでした。
弟(おとうと)の王子がまくらもとにたつと、前(まえ)に助(たす)けてやったミツバチの女王が飛(と)んできて、ハチミツを食(た)べた王女の口に止(と)まりました。
弟(おとうと)の王子は、三つの仕事(しごと)をやりとげたのです。
すると、お城(しろ)の魔法(まほう)が解(と)けて、石にされていた者(もの)たちは、みんな元(もと)の姿(すがた)になりました。
それから弟(おとうと)の王子は、三番目(3ばんめ)の王女と結婚(けっこん)して、お城(しろ)の王になったということです。
おしまい
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