ふくむすめどうわしゅう > がいこくご > にほんのむかしばなし
ヤモリ と くぎ
(日本昔話)(東京都)
♪Reading in Japanese |
|
音声 月猿 |
にほんご ←→ にほんご & えいご ←→ えいご
むかしむかし、ある はる の ひ の こと。
えど の ある いえ で あまよけ の いた が くさった ので、いた を とりかえる こと に しました。
さっそく だいく が くさった いた を はぎとって みると、
なんと その した に からだ を くぎ に うたれた ヤモリ が いて、くるくるくるくる と まわって いた の です。
「やれやれ。せなか から はら まで、くぎ を うたれて おるわい」
「これでは まわる ばかり で、にげられん」
だいくたち が さわいでいる ところ へ、いえ の しゅじん も でてきて、
「ははあ。これは きっと ごねんまえ、この いえ を なおした とき、くぎ を うたれた もの に ちがいない」
と、いいました。
すると だいくたち は、
「へーえ、それに しても ごねん もの ながい あいだ、どうして いきて おった もの かのう」
と、ふしぎがりました。
そこで だいく が しらべて みると、ちかく の かべ に ヤモリ が いきき した みち らしい ひとすじ の あと が ついて いた の です。
「そうか。この みち を とおって ごねん もの あいだ、なかま が たべもの を はこんで いた と いう わけか」
「なるほど」
「こんな ヤモリ でも、じょう と いうもの は あるんじゃな」
「ヤモリよ、おまえ も よい なかま を もった ものだ」
みんな は なかま を たすけた ヤモリたち に かんしん し、くぎ に うたれた ヤモリ を たすけて やった と いうことです。
おしまい
|